第194話 最終局面へ―――!
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壁も天井も床も、石造りのドムス・フラウ。
人影の無い通路を、覚束ない足取りでマヤは歩いていた。
マ「・・地下・・・地下・・地下・・・地下・・地下・・・地下・・地下・・・地下・・地下・・・」
ハイライトが消えてしまった、マヤの虚ろなオレンジの瞳はどこを向いているのかさえも分からない。ただ、何かに取り憑かれたように、呪文を唱えるかのように、同じ単語を繰り返し呟いているだけ―――――。
すると、前方から槍と盾を持った2人の王国兵が歩いて来た。
覚束ない足取りでふらふらぁ〜と自分達の横を通り過ぎようとするマヤを2人の王国兵は持っていた槍をX状に交差させマヤの行く先を阻んだ。
兵1「ドコへ行く。ここから先は関係者以外立ち入り禁止だ。」
兵2「さぁ、大人しく会場に戻れ。」
マヤはしばらく動かなかったが、両手で2本の槍の柄を掴むと、
兵1「んなっ!?」
兵2「や・・槍が・・・!?」
いとも簡単に捻じ曲げてしまった。
マヤは槍を捻じ曲げた事によって出来た通り道を潜り再び歩き出した。
兵1「おいコラ!」
捻じ曲がってしまった槍を投げ捨てながら1人の兵士がマヤの左肩を掴む―――が、
兵1「うあっ!」
マヤの左肩を掴んだと同時に、バチッ!と電撃が帯び兵士は弾き飛ばされてしまった。慌ててもう1人の兵士が駆け寄り、マヤの左肩を掴んだ右手を見てみると、兵士の右手には火傷があった。
マヤは何事もなかったかのように、覚束ない足取りで歩き続け、角を曲がった所で2人の兵士の視界から消えてしまった。
兵1「な・・なぁ、あの女、動物姫のマヤ・ララルドじゃねーか?」
兵2「あ、あぁ。ドコに行く気だ?この先には、ドムス・フラウの地下に続く階段しかねェのに・・・?」
2人の兵士は床に膝と尻餅を着いたまま、呆然とマヤが消えた道の先を見つめていた。
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ル「マヤー!マヤー!」
ハ「マーヤァー!」
同じ頃、会場の外でルーシィとハッピーがマヤの名を叫びながら走っていた(ハッピーの場合飛んでいた)。
クロッカスの街の人々のほとんどが会場に行って大魔闘演舞を観戦しているので、クロッカスの街中は不気味なほどに静まり返っており、マヤの名を叫ぶルーシィとハッピーの声も不気味なくらいに響く。
時々、遠くの方からドゴォン!バゴォン!という凄まじい爆音が聞こえてくる。
ル「(あの辺で、リョウ達が戦ってるのね・・・)」
頭の中でそんな事
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