第3章 揺れる想い
3-3 雪解け
雪解け
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んか。ほぼ」
マユミが言った。「ケニーくんがバイセクシャルだ、って聞いてしまったから、二人でそういうシチュエーションを創り出しちゃったのかもね」
「ま、そんなところかな」
「しかし良かったやないか」
「何が」
「おまえら、仲直りできたみたいやし」
マユミは赤くなってうつむいた。「ごめんね、ケン兄。あたしわがまま言っちゃって……」
「お、俺も……おまえに寂しい思いをさせて……ごめん」
ケンジも顔を赤らめた
「いやあ、初めて見たわ。あるんやなー、こういうコト」
ケンジがケネスに目を向けた。「こういうコト?」
「兄妹以上の関係の兄妹。おまけに双子。さらに、」
「さらに、な、何だよ」
「一線を越えて愛し合う関係の兄妹」ケネスはにっこり笑った。
ケンジとマユミは真っ赤になって、互いに顔を背けた。
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「わいも普通やないバイセクシャルやから、あんさんらの普通やない状況も理解できる。がんばりや。けど、よう見てたらお似合いやわ、ケンジとマユミはん」
ケネスはベッドに並んで座った二人の肩を同時にぽんぽんと叩いた。「ほしたらわい、ここで一人で寝直すよってに、あんさんら、出て行ってくれへんか」
「え?」
「マユミはんのベッドで仲良うしたらええやん。もう夜中に起こさんといて。わいも夢の中であんさんら邪魔したりせえへんから。たぶん」
「そ、そうか、済まないな、ケニー」
「早よ出てって」ケネスは手をひらひらさせて二人をケンジの部屋から追い出した。
◆
「いいやつだよな、ケニー」
「そうだね。ケン兄、あの人とライバルでいられて幸せだね」
二人はマユミのベッドで抱き合っていた。ケンジはマユミの白いショーツ、マユミはケンジの黒いTシャツと少し大きめの茶色のショーツを身につけている。
「ケン兄、変態だよ」
「な、なんでだよ」
「だってあたしのショーツ穿いてるじゃん」
「これ穿いてると、おまえを抱いてる気になるんだ」
「興奮する?」
「するする」
「やっぱり変態じゃん」
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ケンジは照れたように数回瞬きをした。
「俺のTシャツ、使ってくれてるんだ」
「うん。でも……」マユミは眉尻を下げた。
「どうした?」
「ごめんね、嘘ついて」
「何が」
「体育祭で着るから貸して、なんて言って……」
ケンジは肩を軽くすくめた。「そんなの嘘のうちに入らないよ」
「ケン兄の身に着けてたものを着たかったんだ。それが本当の理由」
ケンジは顔をほころばせた。「俺たち同じじゃん」
「そうだね。あたしもこのシャツ着てると、ケン兄に抱かれてる気になるよ」
「そうか」ケンジはマユミの髪をくしゃくしゃにして笑った。
「そう
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