第3章 揺れる想い
3-3 雪解け
雪解け
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気がした。妹がケネスに押さえ込まれ、犯されている! さっき自分を犯した男が、今度は自分の最も大切な人を犯している!
ケネスとマユミが繋がり合った部分の直下のシーツは真っ赤な血に染まっていた。
「イ、イくで、マユミはん、わい、もうイく……」
「あああ、あたしも、ああああああ!」
「で、出るっ! ぐうっ!」びゅくっ! びゅるるっ! びゅく、びゅく、びゅくっ!
「ああああああ、イっちゃうっ!」マユミは悲鳴を上げて身体を痙攣させた。
二人が一つになって絶頂を迎え、身体を震わせている姿を見て、ケンジは思わず大声を出した。
「マユっ! マユっ!」
そして彼は愛しい妹の名を叫びながら部屋に駆け込んだ。
◆
「マユーっ!」ケンジは自分のベッドで目を覚まし、飛び起きた。汗びっしょりになっていた。辺りは静まりかえっている。
床に敷かれた布団でケネスが枕を抱きしめ、丸まって寝息を立てている。
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「ゆ、夢?」
その時部屋のドアが開けられた。「ケン兄……」涙声のマユミだった。
「マユ!」
マユミは怯えたように部屋に駆け込み、ケンジに飛びついた。「ケン兄、ケン兄! あたし、あたし……」
泣きじゃくるマユミの髪をそっと撫でながらケンジは言った。「どうしたんだ? マユ、」
「イヤな夢、みた。とってもイヤな夢」
「夢? どんな?」
「ケニーくんにレイプされる夢……」
「な、何だって?!」
「も、もう忘れてしまいたい。自分が許せない。あんな夢をみた自分が、許せない!」
「(お、同じ夢?)」
ケンジはマユミを抱いたまま囁いた。「マユ、もしかしておまえがみた夢って……」
話し終わったケンジの顔を驚いた顔で見つめて、マユミは言った。「ど、どうして知ってるの?」
「俺も同じ夢をみたんだ」
「ほ、ほんとに? 信じられない……でも、なんで……」
ケンジはマユミをベッドに一人で座らせ、部屋の灯りをつけた。そして布団に丸まっているケネスの頭を足で小突いた。「こいつめ! おい、起きろ、この変質者野郎!」
ケネスはしょぼしょぼと目を開け、呟いた。「え? 何? なんやの」
「おまえのせいで俺たち大変な目に遭ったんだからなっ!」
ケネスは布団の上に正座して、戸惑ったようにケンジとマユミを見比べた。「わいのせいで?」
マユミはクスッと笑って言った。「ケン兄、もういいよ。現実のケニーくんに罪はないから」
ケンジとマユミの話を聞き終わったケネスは言った。「あんさんらが勝手にわいのキャラを創り出したんや。何やの、そのやな性格のケニー」
「本人が言うな!」
「そやけど、話としては萌えるな。なかなか」
「何他人事みたいに言ってんだ」
「他人事や
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