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Chocolate Time
第3章 揺れる想い
3-3 雪解け
雪解け
[後書き]

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 最後までお読みいただき感謝します。
 『Chocolate Time』シリーズの第1作目である本作品には、シリーズの始まりの話のお約束である、基本設定が詰め込まれています。
 ケンジとマユミは双子の兄妹。双子なので、姉弟でもいいわけですが、二人は幼い頃から兄妹として育てられ、自分たちもそのつもりで過ごしてきました。
 アダルト小説では定番の兄と妹の熱い関係、という意味では、この第1話では『双子』というファクターが大きく意味を持つ場面は少なく、最後まで読み進めても、年齢差のある兄と妹との関係でも同じようなものなんじゃないかと思われたかも知れません。しかし、いくつかの要素は、今後のエピソードで微妙な色彩をもたらしてくれます。その要素とは、@二人が同級生であること。A二人の誕生日が同じ日であること。B二人同時に学校を卒業すること。
 これらは、双子であるが故の特異性という意味で、後のストーリー展開にかなり影響を与えます。

 ケネス・シンプソンというキャラクターも、実は今後、二人に大きく関わっていきます。彼は海棠兄妹が秘密の恋人同士だということを知ってしまった最初の人物であるだけでなく、その二人の関係を暖かく見守る親友として、シリーズの展開に極めて重要な働きをしてくれることになるのです。

 思春期の異性(の身体)への興味が、言ってみれば主人公の行動を決めている感じの第1話です。二人を結びつけているのは『愛』ではなく『衝動』と、幼い頃からの『親しみ』、それに『安心感』です。でも、二人がそうして何度も身体を重ね合っていくうちに、少しずつ『愛のようなもの』や、『慈しみに近い感情』、『癒し合える気持ち』が生まれ出てくるのも自然なことです。それは今後、シリーズが続いていくにつれて次第に深く、大きく描かれていくことになります。

 容赦なく濃厚な性描写が登場します。読者の性的興奮を促すことを無論期待しています。アダルト小説ですから。ただ、こと性的な行為についてはなおさら、個人の趣向、好み、趣味などが大きく違うものです。こんな未成年のエッチシーンに萌える人もいればそうでな人もいる、年齢差があった方がいいなあ、とか、縛ったり鞭打ったりするのがほしいなあ、とか、男同士で絡ませるのはごめんだ、とか、いろいろ思われることがあるでしょう。でもそんなさまざまな要求に細かく応えるのはどだい無理な話です。それでも作者の性癖や嗜好性と、ある程度の読者のニーズとのバランスはとらなければならない、という自分自身への足かせは、ある程度持っているつもりです。

 基本的にハッピーエンドの読み切りシリーズです。需要があれば次作を公開したいと思います。

 願わくば、お読みになった方が、少しでも幸せな気持ちになれますことを。
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