暁 〜小説投稿サイト〜
ロード・オブ・白御前
オーバーロード編
第11話 紅と翠の交錯
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
い想像を膨らませながら歩いていた時だった。

「兄さん危ない!」

 唐突に碧沙は光実の背中を押した。

 二人して地面に転がった。見上げれば、木の幹に刺さった紅いソニックアロー。

『残念。ハズレか』
「シド、さん」

 呆然と呟いた碧沙を、立ち上がった光実は背中に庇った。

 アーマードライダーシグルド。ビートライダーズだった頃から何かと光実と因縁のあるライダー。
 腸はシドへの怒りで煮えくり返っている。

(あんな危ないもんを、碧沙に向けて撃った。よりによって碧沙に)

 もしこれで碧沙の体に傷の一つでも付いていたら、光実は5秒となく変身し、1秒でシグルドへ詰めて脳天をブチ撒けていたと断言できる。

 兄を奪っておいて、この上、妹まで奪うなど許せない。

「隠れてて、碧沙。すぐ片付ける」

 光実は戦極ドライバーを装着し、ブドウの錠前を開錠した。

『おいおい、よせって。戦極ドライバーとゲネシスドライバーじゃ性能が桁違いだぜ』
「うるさい」

 ゲネシスドライバー自体は持っているのだ。だが、ロックシードがない。だからこう変身するしかない。
 もっとも、光実とて簡単に負けてやる気はさらさらなかった。

「変身」
《 ハイーッ  キウイアームズ  撃・輪・セイヤッハッ 》

 キウイの甲冑が光実を鎧い、光実を龍玄へ変身させた。

 龍玄は即座に、シグルドのいる場の頭上、梢に向けてキウイ撃輪を投げた。折れた梢がバサバサとシグルドに降り注ぐ。その隙を突いて、龍玄はシグルド本人にキウイ撃輪を投げ放った。

 シグルドは健在だった。

『なかなかいい動体視力してんじゃねえか。でも残念だったな。その程度の武器じゃあ、ゲネシスの鎧に傷一つつかねえぜ』
『くっ』

 戻ってきたキウイ撃輪を構えつつ、龍玄は頭をフル回転させる。この圧倒的性能差を覆すだけの策を練る。

 シグルドが弓で斬りかかってきたので、龍玄はキウイ撃輪でそれらを流した。

(考えろ、考えろ、考えろ。ここにシドがいるということは、検体の碧沙を取り戻しに来たんだ。だからって碧沙をオトリに使うなんてありえない。逆に言えばシドだって碧沙を傷つけられない)

 龍玄はキウイ撃輪を両方とも放ち、バックルのロックシードをキウイからブドウに変えた。

《 ハイーッ  ブドウアームズ  龍・砲・ハッハッハッ 》

 近くの木陰に入りながらシグルドを撃った。
 当たりはする。だが、シグルドにほとんどダメージを与えられない。このままでは詰む。


「きゃああああ!」


『! 碧沙!?』

 龍玄は勝負を忘れ、碧沙の悲鳴がした方向へ走った。

 木の幹を背に、翠のオーバーロードに杖槍を突きつけられ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ