オーバーロード編
第11話 紅と翠の交錯
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い想像を膨らませながら歩いていた時だった。
「兄さん危ない!」
唐突に碧沙は光実の背中を押した。
二人して地面に転がった。見上げれば、木の幹に刺さった紅いソニックアロー。
『残念。ハズレか』
「シド、さん」
呆然と呟いた碧沙を、立ち上がった光実は背中に庇った。
アーマードライダーシグルド。ビートライダーズだった頃から何かと光実と因縁のあるライダー。
腸はシドへの怒りで煮えくり返っている。
(あんな危ないもんを、碧沙に向けて撃った。よりによって碧沙に)
もしこれで碧沙の体に傷の一つでも付いていたら、光実は5秒となく変身し、1秒でシグルドへ詰めて脳天をブチ撒けていたと断言できる。
兄を奪っておいて、この上、妹まで奪うなど許せない。
「隠れてて、碧沙。すぐ片付ける」
光実は戦極ドライバーを装着し、ブドウの錠前を開錠した。
『おいおい、よせって。戦極ドライバーとゲネシスドライバーじゃ性能が桁違いだぜ』
「うるさい」
ゲネシスドライバー自体は持っているのだ。だが、ロックシードがない。だからこう変身するしかない。
もっとも、光実とて簡単に負けてやる気はさらさらなかった。
「変身」
《 ハイーッ キウイアームズ 撃・輪・セイヤッハッ 》
キウイの甲冑が光実を鎧い、光実を龍玄へ変身させた。
龍玄は即座に、シグルドのいる場の頭上、梢に向けてキウイ撃輪を投げた。折れた梢がバサバサとシグルドに降り注ぐ。その隙を突いて、龍玄はシグルド本人にキウイ撃輪を投げ放った。
シグルドは健在だった。
『なかなかいい動体視力してんじゃねえか。でも残念だったな。その程度の武器じゃあ、ゲネシスの鎧に傷一つつかねえぜ』
『くっ』
戻ってきたキウイ撃輪を構えつつ、龍玄は頭をフル回転させる。この圧倒的性能差を覆すだけの策を練る。
シグルドが弓で斬りかかってきたので、龍玄はキウイ撃輪でそれらを流した。
(考えろ、考えろ、考えろ。ここにシドがいるということは、検体の碧沙を取り戻しに来たんだ。だからって碧沙をオトリに使うなんてありえない。逆に言えばシドだって碧沙を傷つけられない)
龍玄はキウイ撃輪を両方とも放ち、バックルのロックシードをキウイからブドウに変えた。
《 ハイーッ ブドウアームズ 龍・砲・ハッハッハッ 》
近くの木陰に入りながらシグルドを撃った。
当たりはする。だが、シグルドにほとんどダメージを与えられない。このままでは詰む。
「きゃああああ!」
『! 碧沙!?』
龍玄は勝負を忘れ、碧沙の悲鳴がした方向へ走った。
木の幹を背に、翠のオーバーロードに杖槍を突きつけられ
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