19:パーティ・プレイ
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し、ゴブリンはユミルを一旦無視し、槍を手で引き抜いてデイドへ突撃する。
が……
「ハンッ、テメーはもう終わりなんだよ。さっさと死ね」
と宣言した途端、ゴブリンが武器を振りかぶる前にドサッと地に伏せ、体を四散させていく。その散りゆく体をよく見てみれば、うっすらと暗い緑がかったエフェクトを帯びている。《毒》の効果だ。
デイドは矛先に自作の強力な毒を塗ってリーチのある槍で先制を取り、そして自分との距離を詰める前に先に毒殺したのだ。現にあのゴブリンが走り出す際、残った約二割のHPがゴリゴリと削られていた。これがデイドの自分なりの弱点を穴埋めする方法だったのだ。
「まだまだいくぜぇ! ……ガキッ、今度はテメーが力を貸しやがれ!」
デイドがさらに続けて襲ってくるゴブリンに一撃を見舞う。だが今度の相手は姿形は似ているが、数段強い隊長格である《ブリッツゴブリン・リーダー》が相手だった。デイドの一撃でも二割程度しか削れず、また毒を以ってしても削りきれずにデイドへの接近を許してしまうだろう。
「ッ!」
そこにユミルが割り込むように突進する。リーダーの横腹に、突進の勢いで威力を微ブーストした、副槍での刺突を繰り出した。リーダーが怒り声をあげ激しい殴打の反撃をするも、ユミルは俺との決闘の時のように槍斧をタクトのようにヒュンヒュンと回転させながら巧みにパリィしていく。そして、その隙にデイドが彼の後ろから長槍での突きで、リーダーのHPをジリジリと削り取っていく。
ユミルは容疑者の中でも突出して致命的な防御力不足の問題を抱えているが、武器のリーチも軽量化の為にカスタマイズされており、そう長くはない。長柄の両手武器にも関わらず、その全長は小柄な己の身長と同程度である。だがユミルは臆することなく、敵の眼前でハルバードを見事な棒捌きでパリイングを続けている。それにスキル一覧でも見た《武器防御》の高いスキル値にも納得がいく。少々不安も残るが、これがユミルの弱点克服方法なのだろう。
「スイッチ!」
「は、はいっ! ――ピナッ!」
ユミルの叫びにシリカが応え、ユミルへ乱撃を続けるリーダーに向かってピナがバブルブレスを浴びせる。そして僅かにたたらを踏んだその隙を見逃さず、防御と回避に徹していたユミルはバックステップで後退、そこへシリカが短剣を逆手持ちに確りと握りながら疾駆し入れ替わる。リーダーのHPは、デイドの後方からの援護と毒のおかげで残り三割にまで減少している。
「覚悟してくださいっ!」
そこへシリカの突進技《ラピットバイト》の刺突とダメ押しの連続斬撃が決まり、リーダーがとうとう大きな悲鳴を上げ、どうっと地へと仰向けに倒れた。
それに俺は口笛を吹く。即席の三人組にしては見事な連携だ。
これで三人
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