再会-リユニオン-part1/トリステインへの帰還
[6/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
言える生物。それを見たテファは、盗賊に一度誘拐されそこをシュウに助けられた直後に襲ってきたナメクジの化物…ペドレオンを思い出す。あの時もシュウは一人残って戦い森の中に一時消えた。その後は、彼が話していた巨人…ウルトラマンが入れ替わるように現れ事なきを得たが。
使い魔の聞いた事を聞き、見た物を見る事ができる…つまりこの景色は。
(シュウ、まさかあなた、また…)
人知れないうちにどこかで襲われ、戦っているということなのか?こうしてはいられない。テファはすぐにシュウを探しに駆け出した。彼が姿を消してから時間が余り経っていない。
まだ付近のどこかにいるはずだ…とテファは予測した。感覚の共有で見えた場所の位置までは特定できないので、予想は既に外れてしまっていたことに気付かなかった。
探しに向かったのはいいが、付近から大きな物音は聞こえてこない。いったいどこに行ってしまったのだろう。なんとか見つけ出さないと!
あてもなくテファは走った。運動が不得手にしか見えないその見た目によらず彼女は森の中を、森の中にある獣道もかいくぐり、シュウの姿を衝動的に追い求めていた。
それにしても、なぜおとなしい性格の彼女をこうも駆り立てるほどの衝動が起こっているのか。その時のテファの脳裏に見えたのは、先ほどのマチルダとの会話で思い出した、彼女にとって『最初のお友達』の姿。
(探してこよう。もう…誰にも…私のために傷ついて欲しくないもの…!)
テファはずっと気にしていたのだ。自分がエルフの血を引いているせいで、マチルダに苦労ばかりかけてしまっている。自分のために誰かが苦労し、自分は安全なところでのうのうと暮らしていることを気にし続けていた。自分が姉のすすめで召喚し使い魔としたシュウにもそれが伝染し、彼にはもっと大きな役目があるにも関わらず自分のせいでいらない苦労をかけているのでは、とも。
そんな純粋すぎて必死こきすぎた気持ちが、彼女にひとつの災いをもたらすこととなる。
「…だめ、見つからない」
テファは、なるべく村から離れすぎていない距離の範囲でシュウを探していたのだが、捜索範囲としては村から近すぎることもあってかシュウの姿を見つけられなかった。
そういえば、さっき見えたヴィジョンの中では、恐ろしい怪物と相対していたはず…確かシュウは、元の世界ではあのような怪物と戦う組織に所属していたと言う話だ。だとしたら…どこかで彼は人知れず戦っているのかもしれない。そうだとしたら少しは戦闘の音を耳で拾えるかもしれないと思い、森の中へ耳を澄ませてみる。…が、全くそれらしい音は聞こえない。
…危険だが、もっと遠くへ足を運ぶべきだろうか。
それにしても、夜の森…幼いころから、森の中に潜むモンスターや野盗を警戒したマチルダから「夜の森は危険だ」と念を押されていたこともあって、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ