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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
再会-リユニオン-part1/トリステインへの帰還
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ここに匿ってやることしかできないから」
最初から閉じられた世界で生きたいと思う人間はほとんどいないだろう。マチルダは申し訳なく思ってテファに謝ってきた。
「き、急にどうしたの姉さん?私は別に気にしてないし、むしろ感謝しなくちゃいけないもの。元々、私がハーフエルフであるせいで、姉さんの家は撮り潰されちゃったんだから」
急に謝られてたじろぐテファ。だが、自分もまた後ろめたいものがあったことを思い出して、逆にマチルダに謝ってきた。
「バカな子だねえ。あたしは別に気にしちゃいないさ。あんたをこの村に匿ったのはあたしの意思。勝手に家を撮り潰したのは、王家の連中さ。
それに、自分の生まれのことを責めちゃいけないよ。でないと、あの日あんたを助けるために命を張った、あんたの『最初のお友達』に悪いじゃないか」
今更だ、というようにマチルダは暖かな笑みを浮かべ、テファの頭を撫でた。
「…最初の、お友達…」
そう言われて、テファは表情が曇らせた。それを見て、マチルダは思わず口を覆った。
「あ、ごめんな。あの時のこと、あんたにとっちゃ酷な話だったね」
「う、ううん…いいの。気にしないで。それに生まれのことを恨んだわけじゃないし、姉さんがいたから今の私がいるんだって思ってるから」
テファは気にしないで欲しいと首を横に振った。
「そっか…じゃあ、あたしはもう行くよ」
「気をつけてね、姉さん」
この村で暮らす様になってから、このひと時の間の別れはいったい何度目になるだろうか。手を振りながら笑顔で村を去っていく姉の背を何度見ただろう。テファはマチルダの存在を頼もしく思っていた。しかし同時に、不安が過ぎっていた。いつまでもこうして姉の資金援助に甘んじているだけでいいのか?と。森から出ることができない自分の存在が姉の重荷になってしまっているのではないかと。
そして、こうして村から何度も旅立っていった姉が二度と帰ってくることがなくなるのではないのでは、とも。もちろんこれまで幾度となく帰ってきて貯まったお金をくれていたマチルダだが、盗賊だって出ることもあれば戦争さえ起こるこの時勢。いつまで持つだろうか?
もし、姉が、子供達が、シュウが…自分にとって『最初のお友達』と同じ目に遭ってしまったら…。
「!」
その時、またテファの視界に変化が起こった。村の景色ではなく、全く異なる景色が彼女の青い瞳の中に映し出されていた。
(これは…!?)
聞こえる。さっきの、甲高い大きな獣の鳴き声が。そして、今ははっきり見えた!見たこともない化物の姿が見える。けど、どうしてこんなものが突然見えたのだろう。
いや、待てよ…もしや…。メイジに召喚され、主従の契約を交わし合った使い魔とメイジは感覚の共有が可能となるとマチルダは入っていた。それに今視界の中で暴れているのは…まさに怪獣とも
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