再会-リユニオン-part1/トリステインへの帰還
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が戻らないことを気にし始めていた。
「それじゃあ、あたしは次の仕事場に行かないとね。」
「もっとゆっくりしていけばいいのに…」
「そうはいかないさ。あたし一人のためにせっかくの村の財産に負担をかけちゃあね。それよりもテファ、くれぐれも体に気を付けるんだよ」
「う、うん…姉さんも気をつけて」
マチルダはこの村のために内緒の盗賊家業で金を稼がなくてはならない。あまり長くと、食費が底を尽いてしまうため留まり続けることはできない。子供達の見送りだとつい湿っぽい展開になると思い、見送りがテファのみである就寝時間に村を後にすることにした。
「それにしても、シュウはどこに行っちゃったのかしら?」
そう言えばさっきからシュウは戻ってきていなかった。テファにあまり心配かけないために、自分が盗賊であることを隠しているようにシュウがウルトラマンであることも隠したままだ。なんとか適当に誤魔化さないと。
「あ、ああ…さっきトイレに行ったところを見かけたよ」
「そ、そうだったの…」
シュウがどこに行ったか心配になっていたが、その答えが意外にも単純かつ下品な話だったためテファは思わず赤面した。
「今、何か変な想像とかしたんじゃ…」
「そ、そういうわけじゃないから!!」
ジトッと射抜くような目で見てくる姉に、テファはムキになって大声で喚いた。
「大きな声出すんじゃないよ…あの子達に聞こえるだろ」
「もう…誰のせいよ…」
デカイ声を出してきたのは確かに悪いが、ことはといえばマチルダがおかしなことを言ってきたからではないか。逆に頬を膨らませて姉を睨みつけた。
と、その時だった。かすかな痛みがテファの右目に響く。思わず俯いて目を塞ぎ、もう一度目を開けると、そこに見えていたのは村の景色じゃなかった。全く異なる、殺伐とした景色。あちこちで散る火花が見える。そして、見たこともない怪物の姿がそこに見えた。
「テファ?どうしたんだい?」
「え?」
マチルダに声をかけられてテファは我に返る。顔を上げると、自分を心配して顔を覗き込んできたマチルダの顔があった。同時に、一瞬見えた景色も消えて元の村の景色に戻っていた。
「そういえば今日、珍しくお客が来たからね。あんた、結構楽しんでたみたいだから、疲れがぶり返してきたんじゃないか?」
「そ、そうだと思う。今まで、たくさんのお友達とお話することってなかったから」
逆にテファも、こう見えて心配症な姉に悟られないように返した。言った言葉は実際間違っていない。ルイズ・キュルケ・タバサ。同じ同年代の女の子と話したこともなかったから、今日彼女たちを見送るまでの間はよく子供たちも交えて彼女たちと語り合った。この村で隠遁生活を送っているテファにとって貴重な体験で楽しいひと時だった。
「…ごめんな、テファ。あたしはあんたを守るために、
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