マクロスF
0756話
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逃げ出すという事は、最低限逃げ出す準備を整えてから行動を起こす筈だ。となると、その準備……まぁ、フォールドを阻止出来るかどうかに掛かっている。純粋にこちらを撃破してから逃げ出すなんて真似を考えていれば、こっちとしても楽なんだけどな」
YF-29を得た以上、機体性能差に関しても既に逆転している。操縦技術に関しては言うに及ばずだ。正面から戦えば、俺が負けるという心配は一切無い。……問題は、シェリルに言ったように正面から戦うのを向こうがまず避けるだろうって事なんだよな。特にグラス大統領を暗殺しようとして正面から俺に叩き潰されたキノコとその部下達もグレイスと合流した以上、その辺の計算はよりシビアにやっているだろう。
グレイスにしても、キノコからの情報だけではなくバジュラが溢れてきた時に俺の混沌精霊としての姿を何らかの形で確認しているのは間違い無い。である以上、正体不明の俺達と正面からやり合うとは思えない……そう思っていたのだ。その時は。
部屋の中が嫌な沈黙に包まれ、だが唐突にその沈黙が破られる。
医務室の通信機が起動し、そこにブリッジクルーであるラムの姿が映し出された。
『皆さん、そこにいましたか。大統領からの緊急のオーダーです。現在、無断でフロンティア船団から出て行こうとしている集団がいて、新統合軍と戦闘になっています。その中には赤紫色のVF-27の姿もあり……』
その言葉を最後まで聞かずにオズマは医務室を飛び出していく。アルトもまたベッドを飛び下りてその後に続く。
そして俺達もまたその後を追う。
「全く、少しは休ませて欲しいものだな。向こうさんも今日アルカトラズから出たばかりなんだから、色々と疲れているのは間違い無いだろうに!」
走りながら軽い口調でそう口にするミハエルだが、その表情は言葉程に楽観的なものではない。厳しく引き締められており、目は鋭く前を見据えている。
「恐らく今だからこそ、だろうな。今なら俺達は戦闘を終了して戻って来たばかりである程度の疲れもあるし、機体だって補給はともかく何らかの異常……とまではいかなくても、多少の不具合が出ているものもあるかもしれないしな」
「なるほど、向こうとしても勝算が無い訳では無いのだな」
クランが走りながら俺の言葉に同意する。……が、その小さい身体でよく付いて来られるな。いや、その辺はルカもそう変わらないが。
いや、俺も15歳の外見だからクランはともかく、ルカとそう大差がある訳じゃないんだけど。
そんな風に考えている間も走り続け、やがて格納庫へと到着する。それぞれが素早くEX-ギアを身につけ、あるいはゼントラーディの装置で大きくなり出撃準備を整える。
「アクセル君、YF-29は色々と貴重な機体だから、くれぐれも壊さないようにお願いします!
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