第二話 一科生と二科生の溝
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の渡辺先輩だ
面倒なことになったな、と思っていたら達也が渡辺先輩の近くに行き
「すみません、悪ふざけが過ぎました」
と言った
「悪ふざけ?」
渡辺先輩が片眉だけを動かし、怪訝な顔つきをしていた
「はい。森崎一門のクイックドロウは有名なので後学のためにみせてもらうだけのつもりだったのですが、あまりに真に迫っていた物で思わず手が出てしまいました」
その言葉に渡辺先輩は魔法を使おうとしていた二人を見てから達也に向き直り冷ややかな笑みを浮かべた
「ではその後に1−Aの生徒が攻撃性の魔法を発動させようとしていたのはどうしてだ?」
その質問に対しても達也は無表情で答えた
「驚いたんでしょう。条件反射で起動プロセスを実行できるとはさすが一科生ですね」
「君の友人が魔法で攻撃されそうになったわけだが。それでも悪ふざけと言うのか?」
「彼女が使おうとしていたのは唯の閃光魔法ですので、それも失明などの心配は無いレベルの」
その言葉に周囲がざわめく
それはそうだろう。この発言は達也が展開中の起動式を読み取れるということなのだから
起動式とはプログラミング言語と少し似ている
それを発動までの一瞬で読み解くと言うのは普通は不可能だ
なにせアルファベット数万字、非常識と言っても過言ではない
「ほう?どうやら君は展開中の起動式を読み取れるようだな」
「実技は苦手ですが分析は得意ですので」
それをこの男は得意の一言で済ませた
どちらかというと特異の方があっていると思うが
その言葉に渡辺先輩はどうするか迷ったみたいで、七草先輩が前に出て来た
「魔法の発動には様々な制約があります。それも一学期のうちに習うと思うのでそれまでこういうことは控えるようにしてくださいね」
と言って、渡辺先輩を連れてもと来た道を戻っていった
「はぁ...」
俺は溜息をこぼした。どうやらばれてなかったようだな
さっきの起動式を壊したのは七草先輩ではなく俺だ
七草先輩がやろうとしていたのは想子弾により起動式を壊すというもの
起動式も想子でできているので同じ想子ならば干渉可能なのだ
それを利用した、現状最も有効とされる対抗魔法(魔法を打ち消す魔法)もあるが今は関係ないか
俺がやったのはそれと同じ、ただし一工夫が加えられており一般の想子弾よりも弾速がある
それがばれたら達也みたいに聞かれかねないからな。面倒なのはいやだ
「さて、帰ろうぜ?」
俺は達也にそう提案すると、頷き家への道を歩き出した
昼飯のメンバーから二人ほど増えたがその紹介はまたの機会としよう。ここではさしたる問題ではないからな
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