暁 〜小説投稿サイト〜
アーチャー”が”憑依
八話
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「…………」

「…………」

「……ネギ先生?」

一匹の猫と見つめあってからおよそ10分。さすがに耐えきれなくなったのか、茶々丸が声をかけてきた。



「猫に餌?」

「はい、よろしければ先生もご一緒にいかがかと」

今日も今日とてエヴァとの修行をこなし、夕御飯の準備には早く、かといってこれから新たに何かをするには遅い……茶々丸が声をかけてきたのはそんな時間だった。内容としては散歩がてらに野良猫達に餌をやりにいかないかと言うものだった。別段動物が好きと言うわけでもないが、普段あまり自己主張等をしない茶々丸からの折角の誘い……断る理由は無い。

「ああ、行くとしよう」

「それでは早速」

こうして、猫の餌を手に茶々丸が何時も行くと言う広場に向かったわけだが……

「おかしいですね」

猫が一匹たりとも現れなかった。普段なら自然と姿を現すとのことだが、今日に限って、だ。私がいることに警戒したのではないか? という意見は茶々丸に否定された。何度か子供たちを伴って餌をやったことがあるからそれはないのでは、とのことだ。
それからしばらく待って、現れたのが真白い一匹の猫だった。茶々丸曰く、ここらの猫のまとめ役のような存在らしい。その猫は私の前にくると、黙って見つめてきた。それに返して、私も猫を見つめ返した。



「らちがあかんな」

「一体どうしたのでしょうか……」

白い猫は茶々丸がいくら声をかけてもピクリとも反応しない。ただ黙って私を見つめてくるだけだ。変化の無い状況にオロオロし始めた茶々丸を救うべく、私はゆっくりと猫に手を伸ばした。

「……!?」

野良にしても過敏すぎる反応で猫が後ろへ飛びずさる。尾と毛を逆立てて、警戒していることを全身で表現している。なるほど、やはり私が原因だったか。ますますオロオロし始める茶々丸をいさめ、一歩猫へと近づく。

「……!?」

猫は動かず、さらに毛を逆立て今度は鳴き声を上げて威嚇をしてくる。それを見て、私は常に行っている”周囲への警戒”を解いた。

「……?」

猫が呆気にとられたような顔をする。どうやら、予測通り私が常時行っている警戒が、猫達に恐怖心を抱かせていたようだ。もう一歩歩み寄り、猫に手を伸ばす。

「……!」

一瞬身を強張らせたものの、今度は飛びのいたりすることは無かった。そのおかげで、私は猫の頭を撫でることができた。

「……」

完全に警戒心を解いてくれたのか、私が撫でるのを気持ちよさそうに受け入れてくれている。やがて、猫は私の手から逃れると、茂みの中に入って行ってしまった。

「ネギ先生」

「大丈夫だ」

しばらく待つ。すると、先ほどの白猫が入って行った茂みか
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