レビィ・マクガーデン
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俺は強力な闇の魔導士だ。
かつては強力な呪いをいくつも生み、闇ギルドの世界では名の通った人物だった。
しかしその代償か魔法は俺の体を蝕んでいった。
今では、一歩歩くだけでも体がつらい。
もう俺の寿命はそう長くないように思われた。
「チクショウ…ここまでか…」
その時、俺の体に振動が走る。
ウェン「ひゃんっ!」
思わず下を見ると、小柄な少女が尻餅をついて倒れていた。
どうやら俺がボーット歩いていたせいで、前から歩いてきたこの少女とぶつかってしまったらしい。
ウェ「痛たたた…す、すみません…大丈夫ですか?」
そう言うと少女は、こちらに謝ってきた。
「いや、大丈夫だ。お嬢ちゃんこそケガは無いかい?」
こちらも少女の身を案じるが、長年の経験からか、ついつい人物を観察してしまう。
歳のころは12歳というところだろうか。
深い青色の髪を、長く伸ばしている。
服は丈の短いワンピースで、あまり見ないものだった。
彼女が尻餅をついていたときに、一瞬だけ見えた下着は白。
いたって平凡そうな少女だったが、彼女の肩のマークに思わず目を止めた。
「お嬢ちゃん…もしかしてフェアリーテイルの魔導士か?」
ウェ「は、はい…そ、そうですけど。」
少女がこちらを見上げてくる。
「いや…なんでもない。小さいのにギルドで働くなんてすごいなと思って。」
ウェ「えへへ…ありがとうございます。」
そう言うと彼女は立ち上がり、ペコリとおじぎをして俺の前から去っていった。
「正規ギルドか…もう一度、魔導士として人生をやり直せれば良いのに…!?」
そこまで考えて俺はある方法を思いついた。
死にかけのこの体を健康な状態に戻し、魔導士として人生をやり直す方法である。
もはや一刻の猶予もない。
俺は早速その考えを、行動に移すことにした。
その日の夜、俺は町のはずれの遺跡に来ていた。
「ここなら、誰も来ないだろう。」
俺が今から行おうとしていることは、禁呪とよばれる呪いの実行である。
目の前には町で拾ってきた、子犬の姿があった。
俺が子犬を片手で抱き上げると犬は、尻尾を振ってよろこんだ。
これから何が起こるのか知りもせずに。
俺は呪文を詠唱すると、自分の胸にナイフを突き立てた。
「ぐはぁっ!」
そして素早くナイフを抜くと、子犬の顔を抱き寄せ、噴出する自分の血液を子犬に飲ませた。
子犬は驚いて俺の腕から逃れようとするが、俺は子犬の手を離さない。
しばらくすると、俺は意識が遠のいていくのを感じた。
そして目を覚ますと、おれは犬になっていた。
「成功したようだな…」
これが俺の使った禁呪であり、自分の肉体を生け贄に捧げることで魂を開放し、あらゆる物に乗り移ることの出来る能力だった。
乗り移るものは、最初の一回は動物で
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