暁 〜小説投稿サイト〜
天竜と天神の飼育法
第一部・天使と悪魔
非日常の日常
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おかりなさい!」
シェリア「おかえり〜、お兄ちゃん!」
そう、それは現在行方不明となっているはずの、ウェンディとシェリアの姿だった。
何故こんなことになっているのか?
それはドランバルトが2人を拉致した、犯人だったからである。
さらにドランバルトは、誘拐した2人に対して記憶操作を施し、自分のことを二人の兄と思い込ませると共に、三人で地下室に暮らしているという偽の記憶を植えつけたのである。
しかも自分の犯行が発覚しないように、証拠品を扱う部署に転属になって、自分の不利になりそうな証拠を隠蔽、改ざんしていた。
ラハールの見立てとは違い、ドランバルトは評議員の鏡どころか、ロリコンで誘拐犯という、とんでもない人間のクズだったのである。
だが自分たちの記憶が、偽りのものだと知らない彼女達は、ドランバルトの帰宅を無邪気に喜んでいる。
ウェンディ「お兄さん、私お腹ペコペコです。」
シェリア「うん!早くご飯食べよ。」
そう言うと2人は、ドランバルトの手を引くようにして、部屋の奥へと連れて行く。
驚いたことに、この地下室はまるでアパートの一室のように、いくつもの部屋に分かれていた。
キッチンの扉を開けると、そこにはすでに湯気の立つ暖かい料理が準備されている。
ドランバルトは2人に急かされるようにして、テーブルに着く。
ウェン「今日の料理は、お兄さんの好きなカレーですよ!」
シェリア「2人で作ったんだよ!お代わりもあるから、いっぱい食べてねっ?」
そういうと、彼女たちもテーブルに着席する。
ドラ「よし、じゃあ準備できたな、手を合わせていただきます。」
ウェンディ「いただきます。」
しぇりあ「いっただきま〜す!」
そう言うと三人は仲良く、食事を始める。
ウェンディとシェリアは、今日あった出来事などを、嬉しそうにドランバルトに話していく。
それは第三者が見れば、おそらく本当の家族と勘違いしてしまいそうなほど、仲むつまじい光景であった。
ドラ「ごちそうさま。」
ご飯を食べ終わったドランバルトは、リビングの床に寝そべるとゴロゴロし始める。
一方のウェンディとシェリアは、2人でキャッキャと楽しそうに声を上げながら、流し台で洗い物を片付けていた。
ドランバルトは、そんな彼女たちの様子を見ながら、幸せな気分に浸っていた。
やがて洗い物が終わった彼女達は、リビングにくるとゴロゴロとしているドランバルトにじゃれ付いてくる。
ウェン「お兄さん〜遊んでください。」
シェリア「あっ…私も遊んでほしい。」
ドランバルトは、そんな2人の頭をナデナデしながら2人の要求に答える。
ドラ「わかった、わかった!よし、じゃあ昨日のジャンケンゲームの続きでもするか!」
ウェン「わ〜い、楽しみです。」
シェリア「うん、今日は負けないんだから。」

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