第三章、その5の1:昔語り ※エロ注意
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。今更学院に戻れないと悟った俺は、そのまま当ても無く樹林を彷徨い、狩人のような生活に身を窶し始めた。今までの人生とは比較の使用もない程の、先行きが見えない不安な日々の始まりだ。
・・・待てよ。そうだ、あの時の声は・・・。
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「・・・ビーラ。もう一つ思い出した事があるよ」
「なんダ?」
「あの時・・・俺が大木の陰に潜んでいると看破した男の声・・・あの訛りのある声は正しく、お前の声だったな・・・!」
ユミルは長い語りから帰来して、己の腰に挿していた剣を一気に引き抜いた。鈍い光が煌くそれはただ一度の血脂が被ったのみで切味は全く落ちていない。況や、目前の男を斬殺するに支障を来す事があろうか。
「聞かせろ、ビーラ。どうしてあそこに居た?どうして俺に弓を射るような真似をした!?」
「・・・・・・少し、長くナル」
ビーラは頭を垂れて、ぽつりぽつりと言葉を紡ぎ始める。ユミルはその一言一句を聞き逃さぬよう、それでいて下手な動きを見せれば何時でも切伏せられるように一層の注意を払っていく。階下の剣戟と断末魔の協奏は収まっていたが、ビーラの語りと共に再び木霊し始めた。
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