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王道を走れば:幻想にて
第三章、その5の1:昔語り ※エロ注意
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悪くナイ選択ダ』
『だろ?』
『容易に想像デキル姿ダカラな』
『それって普段からそう思っている事じゃないか・・・』
『力仕事以外の事ヲヤルお前ナド想像デキン』

 そんな事言ったかだと?間違いなく言ったよ。それにお前に言われなくても自覚があったさ。湖での生態調査でも俺は道中で障害物を取り除いたり、荷物を持ち運んだりとかしていないんだからな。

『取引は直ぐに終わるようだ。書にもそんな事が書いてある』

 あの時、書状の中身を見せるべきだったよ。そうすればお前の事だ、何かと察してくれて俺に助言を言ってくれたのかもしれない。それが本当に助けになるかは別としてだ、書状にはこんな風に記載されていたよ。何度も読み返したから覚えている。
 「当取引における相手方、以降甲と称す、との取引は南方の森林地帯、タイグース樹林にて行われる。甲の到着時間は明日の未明の予定。甲から品物の譲渡を完了次第、学院までそれを持参して帰参せよ。尚、甲の心身の安全に対する保障をする責任を、取引当事者は負わないものとする」、と。奴らしい狡いやり方だ。

『・・・あいつは相変わらずえげつないな。取引が終了したら商人を殺す心算らしい』
『それが俺の里親ダ。諦めタクなる』

 まさかそんな事まで忘れてる訳は無いよな?奴が拾ったという半人半魔の雄蜥蜴、それがお前だぞ。俺が学院に雇われるよりも前から、お前は奴の下で生活を営んでいた。正直同情したよ。あんな奴のために年がら年中常に従事しているんだからな。

『お前も一緒に来るか?これで最後の仕事なんだ。一緒にやろうぜ?』
『・・・そうダナ。それもイイかも知レンーーー』
『ビーラ様っ!!ビーラ様は何処にいらっしゃいますか!?』
『ああ、小間使イか・・・。此処ダ。ドウかシタか?』
『マティウス様がお呼びです。急ぎの仕事があるとの事で』
『・・・残念ダ。お前と最後の仕事を出来ナイとはナ』
『気にするな、そういう日もあるさ。じゃぁ、次は仕事が終わったらだ』
『アア。無事に戻って来いヨ』

 そう言ってお前は奴の研究所に消えて行った。それが俺達が学院でかわした最後の会話だった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「その後だよ。予定が仕組まれていたものだと気付いたのは」

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 予定通り俺は日が沈んで満月が昇るのを待ってから、タイグース樹林の待ち合わせの場所に行った。霜が降りた針葉樹の樹林を通る街道から少し逸れた、獣道の半ばあたりにそいつは居た。鬱蒼とした暗闇の中であっても目印の大きな切り株に場違いな馬車と来れば、先ず見間違いようが無かったさ。  

『物は何処だ?』
『此処だ。荷台に乗っけてある』

 俺は馬車の荷台に乗
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