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FAIRY TAIL 星と影と……(凍結)
幽鬼の支配者編
EP.22 蠢く陰謀
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正々堂々と来んかい!」
「……何の真似か、でしたね」

 ジョゼの言葉を無視して怒声を思念体に浴びせるマカロフにジョゼは軽く嘆息すると右の掌を上に向けた。
 現れたのは豪華なドレスに身を包み、高級そうな髪飾りや耳飾りで彩られた、一目でどこかの令嬢と分かる女性の肖像画。彼女の名は……

「ルーシィ!?」

 怒りから一転、驚愕の声を上げたマカロフに構わず、ジョゼは口を開いた。

「ギルドに所属する魔導士が他のギルドの魔導士に絡む……その理由は、大抵は依頼でしょう?」
「ルーシィが目的だとしても、ガキどもを狙う理由になっとらんぞ。本人にでもワシにでも、一言有れば傷つかなくて済む者がいたというのに……!」

 もう遅い、貴様等はギルドのガキどもを傷つけた。
 そう言って再び怒りに顔を染めたマカロフに対し、ジョゼは笑みを崩さなかった。

「おやおや……妖精の尻尾(フェアリーテイル)に話が通じるとは驚きですね。それに、たった一人相手に何もできなかったゴミ相手に話し合うという発想はありませんでした」

 思念体には魔法・物理問わず、本体にはダメージを与えられない。
 それは思念体魔法の最たる特徴だったのだが、マカロフはこの時それを忘れた。
 いや……

「……妖精の尻尾(フェアリーテイル)審判のしきたりにより、貴様に三つ数えるまでの猶予を与える」

 傷つけるだけに飽き足らず、あろうことか自分の前で息子や娘同然の仲間たちへの侮辱の言葉を吐き出したジョゼに対し、血管が破裂せんばかりに青筋を立て、構えた両手の間に光を浮かび上がらせたマカロフの表情には、憤怒以外の色は無かった。
 僅かに残っていた冷静さを無くしてしまったのだ。

 だから、音も気配も無く、背後に現れた存在に気付かない。

「悲しい!」
「くぁああああっ!!」

 背後に現れた魔導士はエレメント4の一人、大空のアリア。彼の魔法によって、マカロフの小柄な体躯は吹き飛び、壁を破って下の階へ落ちて行ってしまう。
 アリアの魔法によって急激な魔力の枯渇していき、薄れゆく意識と視界の中でマカロフが見たのは、布で両目を覆って涙を流す巨漢ではなく、表情を紳士的な笑みから嘲笑に変えていたジョゼの思念体だった。

「仲間のために怒る……それが貴方の美徳なのでしょうが、それも過ぎれば毒になる。いい教訓になったでしょう、マカロフさん……ま、聞いていないでしょうがね」

 本部にて、思念体を通して一部始終を見ていたジョゼの本体は冷たく言うと、マカロフを陥れる役目を果たした思念体を消すのだった。

「フフフ……アリアさんとガジルさんが到着し次第、計画を次の段階に移しますよ、ジュビアさん、ムッシュ・ソル」

 了解して準備を始めた二人をよそに、ジョゼは
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