ターン4 水上のプリマ
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「皆さん、初めまして。体育教諭の鮎川です。これから三年間、よろしくね」
あのデュエルからはや三日。十代も翔も最初はピンときてないみたいだったけど、業を煮やしたユートが説明途中に割り込み交代。ようやく納得してくれたようだ。もっとも翔は『二重人格ってヤツっスか?』なんて、微妙にわかったんだかわかってないんだか始末に困る反応だったけど。それともう一つ不思議なことが起きた。どうも十代にはユーノの姿が見えるようになったらしい。本人いわく、『ハネクリボーも見えるぜ!ところでお前の横で泳いでるソイツって、もしかしてシャーク・サッカーか?』だそうだ。いや、僕には何も見えないんだけど………。ちなみにユーノの感想は『驚いたな。ま、原作の大まかな流れに変わりはないだろ』とのこと。なんのことだかさっぱりわからない。前からちょいちょい思ってたけど、コイツら会話のキャッチボールをまともにする気があるのかなぁ…………?
そんなことを考えていたら、頭の中で声がした。
『体育…………なあ清明、お前ってボート漕げるか?』
「(は、はい?)」
まるで意味が分からない。体育とボートと一体何の関係があるってんだろう。まあ一応できるっちゃあできるけどさ。
『あーいや、別に授業には関係ないんだけどな。今日はボートを漕ぐスキルが必要になる可能性がひじょーに高いから、そのつもりでいろよ』
…………なんで?その後も一日中問いただしてみたけど、結局ユーノが答えてくれることはなかった。ただ、ほかにも気になったことがありまして。
「えへへ…………」
「なあ清明、翔の奴一体どうしちまったんだ?」
「さあ?」
ぼんやりと頬杖ついて座り、ニタニタとしまりなく笑ってる翔。
「ユーノー、お前はなんか知ってるか?」
『…………………さあな(スーッと明後日の方を向く)』
「「ムッチャ怪しいーー!!?」」
もうよくわかんないので十代と相談して、ある程度注意しながらもそのままほっとくことにした。まあそのうち治るでしょ、うん。
――――――――――で、夜。のんびりデッキをいじくってたら、隣の部屋の十代がいきなり飛び込んできた。
「清明!!翔がどこ行ったか知らないか!?」
「え、何?何?」
「それが、さっきから翔がどこにも居ないんだ!」
「あれだよほら、忘れ物でも取りに行ったんじゃないの?」
「それでも、もう一時間もたつんだぜ!何かあったんじゃないのか?」
「そんなこと言われてもなぁ…………でもいいよ、手伝おうじゃないの。ところで隼人は?」
隼人…………あー、隼人さんってのは僕らの先輩。なんでも留年生らしいけど、基本的にはいい人。ただちょっと後ろ向きなところもあるんだけど。
「それが、『
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