第五話 大角大尉！！今度は薙刀だ！！その十一
[8]前話 [2]次話
「その暴力教師になるでごわす」
「赦してはならない悪にですね」
「なってしまいますね」
「身体を鍛えるだけでは駄目でごわす」
それ故にというのだ。
「心も鍛えなくてはならないでごわす」
「そうですね、それでは」
「我々もですね」
「身体だけでなく心も鍛える」
「そうしなければなりませんね」
「おいどんはおはん達に心からお願いしもっそ」
西郷は青年達に強い声で言った。
「是非、でごわす」
「心も鍛えるべき」
「そうですね」
「そうでありもっそ」
こう話すのだった、彼等と共に汗を流しつつ。
そしてその後でだ、執務室において山本と東郷に言われたのだった。
「では今回は」
「我等が」
「お願いしもっそ」
こう二人に返す西郷だった。
「今回も」
「今回こそはです」
「あの者達を」
「懲らしめるでごわす」
今回もこう言う西郷だった。
「あの二人、確かに腐れ者達でごわすが」
「弱者に暴力を振るってはいません」
「殺人も犯してはません」
「略奪暴行の類とも無縁です」
「犯罪を犯していません」
二人共犯罪者ではない、それは確かなのだ。
それでだ、彼等も言うのだった。
「だからですね」
「二人共ですね」
「懲らしめるだけですね」
「命は奪いませんね」
「その腐った性根を叩き直すでごわす」
これが西郷ひいては日帝衆のジャスティスカイザーへの考えだった。命を取ろうとまでは考えていないのだ。
それでだ、西郷は山本と東郷に対して言うのだった。
「大角大尉でごわしたな」
「はい、この度の作戦の責任者は」
「彼です」
「薙刀でごわすな」
大角の得意とするものはというのだ。
「そうでごわすな」
「はい、左様です」
「薙刀道十段です」
「日帝衆随一の薙刀の使い手です」
「薙刀ならば誰にも負けません」
「そうでごわすな。それなら」
その薙刀の腕ならというのだ。
「今回こそは」
「我等は勝ちます」
「日帝衆の勝利です」
「そして再びです」
「あの半島を併合します」
「既に半島の同胞達は支持しています」
当事者達は反対していなかった。
「あの時と同じ様に」
「千進会が中心になりです」
「支持を取り付けています」
「あちらの政府もです」
「併合に賛成しています」
政府単位でそうなっているのだった。
「後はです」
「最早唯一反対に動いているジャスティスカイザーさえ懲らしめれば」
「我等を阻むものはありません」
「世界に誰も」
「まさにあと一歩でごわす」
西郷は確かな声で二人に言った。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ﾍﾟｰｼﾞ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿ｻｲﾄ〜
利用規約/ﾌﾟﾗｲﾊﾞｼｰﾎﾟﾘｼｰ
利用ﾏﾆｭｱﾙ/ﾍﾙﾌﾟ/ｶﾞｲﾄﾞﾗｲﾝ
お問い合わせ
2024 肥前のﾎﾟﾁ
しおりを解除