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IS《インフィニット・ストラトス》〜星を見ぬ者〜
第三十八話『勘違いのお買い物』
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れたんだ。無下には出来ない」


至って真面目な……というよりも何時も通りの表情でスウェンは言うけど。


「すまないな、簪。付き合わせてしまって」

「ううん、私も新しいの買いたかったし」


手に持った袋をスウェンに見せながら私は言う。そしてスウェンと一緒にレジに向かう。


「お!よお、スウェン!」

「!?」


陽気な声でスウェンの事を呼ぶ男子……織斑 一夏……。


「スウェン」

「何だ?」

「先帰るね」


私は逃げるように、スウェンに顔を合わせずにその場から離れた。





「……簪」

「あれ、今の子って」

「4組の更式簪、俺の友人だ」

「ほう、4組か……一夏を見てまるで逃げるように行ったが……一夏、お前はまた何かしたのか?」


ジト目の箒に焦りながら一夏は


「いや知らねぇって! 俺初めて会ったし!……あ、そういえばさっきシャルロットと会ったぞ」


話を反らすかの如く一夏は言う。


「シャルロットが?……まさか先程の気配は……フッ、全く」


スウェンは軽く笑う。一夏達は何故か全くわからない様子だ。するとスウェンは手にした水着を持ち、元あった場所へ向かった。









「はぁ……」


結局スウェン達を見つけることが出来ずに、寮に帰ってきた。今でも思い出せる、デパートに向かうスウェンは何処か楽しそうな表情をしていた。僕はあんなスウェンを見たことないや。

部屋に戻ると


「帰ってきたか、シャルロット」


椅子に座ってスウェンはコーヒーを飲んでいた。


「随分とお楽しみだったみたいだね」

「まあ、楽しくなかったと言えば嘘になるな」

「そう良かったね」


スウェンに対して冷たい反応しか出来ない……僕って最低だ、あの子に嫉妬しちゃって……どうスウェンと話せば───


「シャルロット、明日は空いているか?」

「え?……えっと、うん、予定は無いけど……」

「なら明日、街へと一緒に行かないか? 臨海学校の為に水着を買いに行きたいのでな」

「今日買いに行ったんじゃないの?」

「俺としたことが、財布を忘れてしまってな……買えなかったんだ」

「そっか……一緒って、二人きり?」


横目で見るとスウェンはこくりと頷いてくれた。


「そうだな……もしあれならラウラも──」

「いや!二人で行こう!一緒に行こう!」

「あ、ああ……」


二人きり……スウェンと二人きり……これをチャンスにしなきゃ!……あの子の事も気になるけど、今は明日の事だけを考えないとね!







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