トランスマイグレーションは突然に
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冷たい風が吹く……
周りは爆発音と人が争う声が響き、地面にはたくさんの血が流れていた。
「くっ…はぁ…」
……私……ここで死んじゃうのかな……戦場で死んじゃうことは……悲しくない……けど……
「皆…私が死んだら…泣いてくれるかなぁ……」
私が物心つく時から一緒だった…大切な友達……私の守りたかった…四人の友達……
「会いたい……会いたいよぉ……」
小さい頃から一緒だった…大切な人達……死ぬのは怖くない……何より怖いのは、皆に会えなくなること、嫌だよぉ……嫌だよぉ…
私の手が空に伸びる…その手は虚しく伸び続け、力尽きて落ちる
あぁ…目も、だんだん霞んできちゃった…
お願い……神様…いるなら、私のお願いを聞いてください…
何年後……何千年後でも構いません……どんな姿でもいい……私を……また…皆に合わせてください……
その時、私の目の前が光り……私はそのまま…目を閉じた……
その隣には、その場所にはあるはずのない…オミナエシの花が咲いていた。
**
めざましの音が聞こえ、止める
「んっ……ふわぁ〜あ……」
ベットの上で体を伸ばす、この一連の動作はもう習慣だね…
「また……あの夢……」
この頃よく見る夢、女性が戦場に倒れて……友を思い、また会うことを懇願する……そして、最後に誰かの声が聞こえる、そんな夢……
妙にリアルだったり、なんども見たせいか…その夢を完全に覚えていたりする。
この夢を見始めたのはつい数ヶ月前から、意図せず突然見るようになった。見ていて苦痛なものじゃないから嫌ではないものの、やっぱり気になることはある。
それは……あの女性がどうなったか、あの声を聞いた後なにがあったのか……そのことだけだ気になっていた。
「まぁ……考えても仕方ないかな……」
夢のことを一旦忘れ、身支度を済ませる。わからないことを今考えても仕方ないしね……
朝食を食べて、制服に着替える。
言ってなかったけど、今日は高校の入学式。
両親が他界しているため、学費の安い都立高校を受験してやっとの思いで合格したものの、学力がギリギリだからやっていけるかどうか、少し心配です…
「ごちそうさま…」
朝食を食べ終えて、家を出る。
「いってきます」
ちなみに、誰もいない家に向かっていってきます、ただいまというのも僕の習慣になっていたりする。
高校に到着し、校門をくぐり抜けてクラスが張り出されている紙を探す。
クラスを確認し終えてからは特に何事もなかった。クラスに行き、入学式がはじまり、校長先生の話を聞く。
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