十五章
敦賀城へ行軍
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「一真様、どうかされました?かなりお疲れのご様子ですけれど」
「ああ、なんでもない。ちょっとした鍛錬をしていただけだ」
こんなこと言えるかよ。情事で疲労になったということを。
「まぁ。一真様は毎日鍛錬していると聞きます。熱心なのですね」
「まあな。織田勢で最強なのは俺だし。ところで、お前らはここにいていいのかよ?自分の隊は」
「綾那達の隊は、頭の綾那たちがいなくてもちゃんと動けるから大丈夫なのです」
「それに、二人とも一真様の事が心配で」
「それについては、大丈夫だ。俺には摩訶不思議な剣とこの銃があるから心配は無用だ。それに仲間たちもいるし」
しかも、情事した者はみんなツヤツヤでテカテカで気力充実してるんだよな。
「俺の方よりも二人の方が心配だ」
「大丈夫です!綾那達が鬼なんかに後れを取ることはないのです!」
「ダメよ、綾那。その慢心が命取り何だから。慎重に。ね?」
「そうだぞ、綾那。油断をしてると、後で後悔をしても俺は知らんぞ」
「うー。一真様に言われるとうんとしか言えないです」
となんかしゅんとしてしまったが、これは警告だと思えばいい。でも、なんだかんだで歌夜の事を信頼してるそうだから、綾那の手綱を任されそうだ。
「じゃあ一真様。松平衆はここまでとなるのです」
「おうよ。手筒山城攻めだな。絶対に無事に帰ってくるんだぞ、綾那に歌夜」
「ありがとうございます。・・・・一真様もご武運を」
「うむ。では、一乗谷で会おう」
「はいです!では行ってくるです!」
元気一杯に言いながら、綾那と歌夜が先行する本多衆と榊原衆を追いかけていく。だけど、綾那が戻ってきた。何か言いたそうなのか。
「一真様!」
「ん?何か忘れ物か」
「へへー、一真様、あのですね。ちょっとお耳を貸してほしいです」
「耳ね。何かな」
綾那は何か言いたそうだったので、腰を下ろした。
「あのですね、越前攻めが終わったら、歌夜と二人で一真様と遊びたいです。許してくれるです?」
「俺と?別にかまわんが、何して遊ぶんだ」
「へへー、内緒なのです!」
「そうか。じゃあ、楽しみにしてるぞ」
と言って今度こそ綾那は行ってしまった。見送ると松平衆の本隊が横を通り過ぎて行ったけど。
「・・・(ペコッ)」
「気を付けろよ、葵」
「はい。一真様もご武運を」
「では、一乗谷で会おう」
俺の言葉に黙って頷いてから、視線を外し手筒山城の道を登っていった。
「連合軍の中で随一の強さを誇る松平衆です。・・・・例え鬼が相手とはいえ、手筒山城攻めで後れを取ることはないと思いますが」
「それは分かっている。問題はこっちだ」
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