マクロスF
0754話
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は殆ど大丈夫なんだけど」
不満そうに言葉を返すシェリルだが、殆どという事は完全にって意味じゃ無い訳で。
「どのみち、今はやる事がないだろ。何かあった時の為に体調を十全に整えるのもプロの仕事だぞ」
「それはそうだけど……しょうがないわね、アクセルの言う通りにしておいてあげるわ。それよりもちょっと耳を貸しなさい」
別に医者はこっちに意識を集中はしてないんだけどな。と言うか、テロの影響でS.M.Sの中にも怪我人が出ているのか、忙しく指示を出している。最初は病室に怪我人がいないのはシェリルを気遣ったからか? と尋ねたのだが、怪我をしたといっても殆どはかすり傷程度らしい。……その状況で何を指示しているのかと言えば、アイランド1内にいる怪我人に対するフォローの為なんだとか。まぁ、PMCである以上下手な病院よりも薬の類については充実しているしな。
そんな風に思いつつ、ベッドで上半身を起こしているシェリルへと顔を近づけると……次の瞬間、俺の唇はシェリルの唇で塞がれていた。
「勝利の女神のキスよ。これでグレイス達に負けたりしたら、承知しないんだからね」
「お前、気が付いてたのか」
この同時多発テロにグレイスが関係しているというのは、小さい頃から共に行動してきたシェリルにとってはショックな筈。そう思って言って無かったのだが……
「当然よ。あたしを誰だと思っているの? あたしはシェリル、シェリル・ノームなんだから。とにかく勝利の女神のキスをしてあげたんだから、分かってるわね?」
「ああ、そうだな。シェリルの唇に賭けて負ける訳にはいかないな」
そつ口にし、再度シェリルの唇を塞いでから医務室を出て行く。
……その際、医務室の中にいた医者に『ここはそういう部屋じゃないんだけどね』と言われたのは……まぁ、しょうがないとしておこう。
「悪いな、遅れたか?」
「そうでもないさ。見ての通りアルトとルカがまだだし」
ブリーフィングルームに入った俺を出迎えたのは、そんな声。声の主へと視線を向けると、何だか難しい顔をして眼鏡を触っているミハエルの姿と、そんなミハエルをどこか心配そうに見ているクランの姿が。
他にもピクシー小隊の残り2人も既に集まっている。
「どうしたんだ、その眼鏡?」
レンズの部分が割れている眼鏡を見ながら尋ねると、ミハエルは小さく肩を竦めてから割れた眼鏡をテーブルの上に置く。
「何、テロリストの襲撃に居合わせてな。その時にやり合ってたらこの様だ」
「全く、射撃の腕がいいのは理解しているが、だからと言って私に心配をさせるな」
「何だよクラン、俺が心配だったのか?」
「むむっ、べ、別にちょっとだけだけどな」
「まぁ、眼鏡が割れただけで良かったと思えよ」
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