DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第十話
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散らしたはずの相棒、ユージオだった。
彼とともに戦った日々の記憶は、キリトの中で最高の時間として残されている。同年代の友人のいなかったキリトにとって、ユージオは前述のとおり初めての親友だったのだ。
だが、彼は人界を支配する《公理教会》の総本山、《セントラル・カセドラル》の頂上で、公理教会最高司祭、アドミニストレータと相討って死んでしまったはずだ。彼はその後も残留思念としてキリトを時折導いてくれたが、こんなふうに現実世界に現れたことなどない。
そもそもなぜ自分はここに居るのか。自分はALOを取り戻す為に、《白亜宮》に向かったのではないのか――――?
「何言ってるんだい、キリト。当然じゃないか……僕は折草優慈男……ユージオだよ。生まれた時から君と一緒に育ってきた、相棒じゃないか」
おかしい。何かが、決定的におかしい。確かにユージオは、アンダーワールドのキリトにとって、生まれた時からの相棒だった。だが、彼がそのことを言っているのではないのだ、と、なんとなくキリトは直感した。
「ほら、行こう、キリト。もうアリス達もアスナも、みんな外で待ってるよ」
「あ、ああ……」
ユージオにせかされて、キリトは立ち上がった。そこでも再びの違和感。
――――ユージオは、アスナに会ったことがないはずだ。
彼は死の間際まで、キリトが別の世界からやってきた存在であることを知らなかった。彼にはアスナの存在を一度も話したことはないし、アスナがアンダーワールドにやってきたのはユージオが死んだあと。したがって、彼はアスナのことを知らないはずなのだ。
だが今、彼は自然に彼女の名前を出した。それに、今、『アリス達』、と言わなかったか――――?
「「おそーい!」」
「キリト君、料理冷めちゃうよー!」
「パパったらうっかりやさんです!」
「いつまで寝ているつもりだったのですか?」
「仕方ないです。キリトさんは寝坊助さんですから」
「全くもう……お兄ちゃんてば」
「はぁ……間抜けね」
「本当だ。せっかく儂も手伝ったというのに」
校舎裏にある庭の芝生の上には、大きなシートが敷かれていて、その上にキリトのよく知っている少女たちと、見たことはあっても直接会うのは初めての少女が、出来たてと思われる料理を並べて座っていた。
立ち上がってこちらをにらむのはリズベット/篠崎里香。その横で、こちらは主にユージオをしかっているのだろう、金髪の少女。彼女は恐らく、アリス・ツーベルクだ。
キリトを非難したのはアスナ/結城明日奈だ。その隣に《娘》のユイ。広げられた料理の大半は彼女が作ったのだろう。その隣には、アリス・シンセシス・サーティの姿。ユージオがアリス達、と
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