DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第十話
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れは悪魔にして女神の声。世界の崩壊のトリガーとなった、あの青い少女の声。
「ノイゾ……!」
キリトのうめき声が聞こえていないのか……いや、こちらから向こうに声は届いていないのか。彼女はその声に全く反応することなく、つぎの言葉を紡いだ。
『自らが生きる世界を取り戻す為に戦うか……正直、私自身は貴殿らが怖気づき、勇者以下数名だけが来るものだと思っていたのだがね。どうしてなかなか、集まっているじゃないか……貴殿らの勇気に拍手を送ろう――――来たまえ。貴殿らの意思が、いかな強さなのか……それは我が兄にはむかうに足りるのか、私が判別してやろう』
瞬間、エインヘルヤルの開いたゲートが、バクン、と音を立てて巨大化した。凄まじいスピードで淵が迫ってくる。
「うわ!?」
「きゃぁ!」
「うぉおお!?」
「くっ!」
まるでブラックホールのように、妖精郷の戦士たちが飲み込まれていく。
「うわわわわ!?」
「ここぞとばかりにカガミ君をぎゅーっ!」
「ひゃっはー!」
若干に名ほどおかしいのがいたような気がしたが。強者というのは、こんな局面でもひょうひょうとしているモノなのか?きっと違うと願いたい。
少なくともここにはいない、あの神話の剣を携えた剣士は違った……はずだ。
「くっ……!」
そこまで考えたところで、キリトにも限界が来た。足がイグシティの大地を離れる。ゲートに吸い込まれ……
「う、あぁぁぁぁ―――――……」
『そうそう、貴殿らの挑戦にはタイムリミットを用意させてもらうよ。そうだな……一日、というところでどうか。それまでに貴殿らが目覚めることができなければ貴殿らの負け、だ――――』
ノイゾの含み笑いを聞きながら、その意識は、ホワイトアウトした。
***
「……リト。キリトってば」
「んー……」
自分を呼ぶ声と、体を揺り動かす手に起こされて、キリトは目を覚ました。
「(……あれ?)」
見渡すと、そこは見覚えのある光景が広がっていた。SAOサバイバーのために用意された学校の、自分のクラスだ。時計の針は昼の十二時半ごろをさしている。
「やっと起きたよ……もう皆庭で待ってるよ」
「ああ、悪い、ユージオ……」
そこまで条件反射的に言いかけて、キリトは絶句した。
ぐるり、と勢いよく横を見ると、そこには亜麻色の髪をした少年。キリトの突然の行動に驚いたのか、緑色の眼を見開いている。纏っている服は、記憶にあったものではなく、キリトのそれと同じこの学校の制服。
「……ユージオ、なのか……?」
そこに立っていたのは、キリトの生涯最初の真の親友にして、アンダーワールドでその命を
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