番外編 乙女の矜持 その二
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叫んでいた。
「えー、持ってないの? じゃあ、ボクはこれからどうすればいいのさ」
シャルロットは若干涙目でそんなことを言ってくる。
「ラウラは日本文化に詳しいだろうからブルマくらい持ってるかもしれん。皆の隙をみてラウラに聞いてみろ」
俺がそう言うと、シャルロットは解ったよと言って俺の前から去ったが、その後、シャルロットがなにも言ってこないところをみると、なんとかなったらしい。
ともかく、シャルロットが一夏におパンツなしの状態でスカートの中身を見られそうになる事件やら、一夏の前でボクの秘密を見せるとかなんとか言いながらスカートをめくり上げる惨事は未然に防げたと思う。
そしてなぜか俺がブルマ好きの男子だという噂がまことしやかに囁かれることになった。
噂の発信源は一年一組だとは思うが、誰だよそんな噂を広めたのは。
俺が昼休み織斑先生たちと鉢合わせした時なんか、
「ベインズ、お前はブルマが似合う女子が好きだそうだな」
なんて笑いながら言われるし、織斑先生と一緒にいた山田先生はというと頬を赤らめ、
「先生にブルマ姿で補習をして欲しいだなんて……そういうサービスは補習内容に含まれてないんです」
と言う有様だ。
俺はブルマ姿で補習をして欲しいなんて一言も言ってませんよ? 山田先生。
今頃俺がブルマ好きという噂はどんな発展やら進化を遂げているのか気になるところではあるが、とんでもなく恐ろしいことになっていそうな気がして聞かない方が幸せだろう。
こんな状態だと、しばらくの間は用事で名前を呼ばれる度に名前の前に『ブルマ好きの』という言葉がくっついてきそうだ。
まったく頭が痛くなってくる。
早く噂など消えて欲しいところではあるが、今回の噂はどうなんだろうな。
噂は早々に消えそうにない雰囲気ではある。
俺はこの噂を聞きつけたあのイタズラ好きの生徒会長が、面白がって変なイベントを考え出さないことを心の中で祈っていた。
ちなみに、ズボンやらおパンツが消えた原因であるが、ISの試験装備の中に量子変換をより効率的に行うオプションがあり、それが襲撃時に破壊され暴走、今回の騒ぎになったのである。
最後に俺のズボンだが、この日の夕刻、空がオレンジ色に染まる頃にはちゃんと元に戻っていた。
俺にとっては迷惑極まりない出来事だったな。
今度暇を見つけて厄を落とすために篠ノ之神社に行ってお祓いでもしてもらうとしよう。
少しは良いことがあるかもしれない。
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