番外編 乙女の矜持 その二
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
生」
「うーん……それはどうでしょう。ベインズくんについても詳しく調べないと解らないかもしれませんね」
「あの、織斑先生」
「なんだベインズ」
「今日の授業を休んでいいですか? この格好で授業を受けたくないんですが」
「ベインズ、その格好でも授業は受けれるだろ」
織斑先生は鬼ですか。
「受けれはしますけど……俺の精神が持ちませんよ。なんたって、ここに来るまでに好奇の視線を浴びまくったんですから」
「だったらベインズくん。女子の制服を着用したらどうでしょう。下はズボンじゃありませんから消えたりしませんよ? こんなこともあろうかと女子の制服を準備してあるんです」
なんでそんなに楽しそうに話すんですか? 山田先生。
俺は不幸という名の海原を漂っているかのような気分なのに。
「確かに女子の制服はスカートだから消えたりしないでしょうが、俺が女子の制服を着てIS学園を闊歩すれば、それはそれで悲惨な末路が俺を待っている気がします――っていうか、山田先生はどんな時を想定して女子の制服なんてものを用意してるんですか」
「おい、ベインズ。お前と山田先生が仲がいいのは知っているが、そういう話は人目のない場所で二人きりの時にしろ。ここは公の場だ」
織斑先生の言葉でこの話は終了となった。
授業については、今現在俺の担任ではない織斑先生では判断しかねるとのことだ。
ということで、織斑先生経由で俺が所属している一年四組の担任に話してもらうことになった。
結局俺は授業をサボる――じゃかった、休むことは叶わなかった。
休めない理由は色々あるのだろうが、主な理由は福音戦で負傷した俺が、かなり授業を休んだかららしい。
一年四組の教室に着いてみれば、俺は女子たちの視線により針のむしろ状態。
対外的には、俺は制服のズボンを予備も含めて汚してしまったことになっているが、それを信じている女子がほとんどいないことは俺に向けられる女子たちの冷たい視線から感じ取っていた。
こんなことになっている俺を他所に、一夏は今頃どうしているんだろうな。
アニメで描かれていたように壁隔てた一組の教室では一夏がいつもの女子五人衆と縞パン話に興じているのかと思うと、なんか……心が切なくなってくる。
隣の芝生は青く見えるというが、俺には一夏が目を開けていられないほど光り輝いて見えるよ。
授業と授業の合間の休み時間、俺は女子たちからの視線に耐えきれなくなり教室を飛び出した。
とは言っても、廊下にも女子はいるわけで、当然廊下にいる女子たちからも好奇の視線を浴びることになる。
だから俺は走った。
ただひたすらに。
なにも考えず、わき目も振らずに――全
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ