第6話〜交易町ケルディック〜
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くれないことや、農家である彼の家は、輸送手段の進歩、人口の増加に伴って近年増加してきた安価な輸入農作物のせいで経営が苦しくなってきているなど、その地での実情の一端を思い知った。依頼のお礼としてケルディック産の新鮮食材をおすそ分けされ、挨拶をしてサイロさんの家を後にした。
一旦町へと戻り、ケインたちは、ある武具工房に足を運ぶ。無論、依頼の話を詳しく聞くためだ。工房のカウンターにいたサムスさんという若い男性の話によると、西街道の街道灯の一つが動かず、原因がその中にある導力灯の故障であり、導力灯自体の交換をお願いしたいとのこと。一通り聞き終わると、彼から新しい導力灯を彼から受け取る。注意点は整備パネルを開く解除コードがあることと、街道に使われる導力灯の光には、魔獣よけの効果が多少あるらしい。つまり、それを外した際に魔獣が寄ってくる危険性があるため、入れ替え役と護衛役が必要になる。そういう作業も多少は手馴れているケインは、交換役を申し出、サムスさんから解除コードを訊き、記憶した。その後、西街道に出て(交換の際に魔獣に囲まれるなどはあったが)難なく依頼を果たす。任意の依頼ではあったが、一応三つ目の依頼も達成し、一日目の課題が終了した。ケルディックの町に戻ると、エリオットやアリサは少し疲れた顔をしているようだが、リィンやラウラは流石に鍛えられているのか平気のようだ。ケインに至っては涼しい顔をしており、ポーカーフェイスが全く乱れていない。鍛えているみたいだなとラウラにコメントするリィン。ラウラはこの程度は日々の修行になるなと返し、だが、と続けるが、その先が彼女の口から発せられることはなかった。怪訝な顔をするリィンに詮無いことだと告げる。
「・・・ふざ・・・ッ!」
「それは・・・の台詞だ!」
ケインの提案で宿に戻ろうとしたが、大市の方から諍いめいた喧噪を聞き、そちらへ向かうことにした。不穏なトラブルの予感を、それぞれが胸に抱いて。
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