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閃の軌跡 ー辺境の復讐者ー
第6話〜交易町ケルディック〜
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るなんて・・・この半月の努力の賜物、かな」

「ホント、何やってるのさ?」

「フッ、今度はZ組男子全員のモノマネを、この二年間でやり遂げてみせるよ・・・!」

「ケインの野心がとんでもない方向に!?」

大胆不敵な笑みで宣言するケインは、魅力的に見えたのだとか、そうでないのだとか。

「ふむ、どうやら手配にあった魔獣のようだな」

「さすがに強そうね・・・」

「ああ。だが、農家の迷惑になっている以上、退治するしかない・・・行くぞ、みんな!」

街道はずれの高台付近にて見かけた手配魔獣と思しき恐竜のような青い大型魔獣を発見し、交戦を開始する。ケインは普段とは違い、黒剣の切っ先を地に対して垂直に構え、左手を腰のあたりに添える。その後、消えるほど速く魔獣に肉薄し、肉質柔らかな腹に横なぎの一閃を加え、爪の引っ掻きをバックステップで回避する。腰を落としたケインは、魔獣の片足へと二連突きをお見舞いし、体勢を崩したところで、再び水平斬りで腹部に追い打ちをする。ラウラがもう片方の足を叩き、移動力を奪った。

「宮廷剣術、なのか・・・?」

「お、驚いてる場合じゃないわ!今はケインのフォローをしないと」

「そうだったな。アリサ、エリオット、援護頼む!」

「任せて!」 「判ったわ!」

その後、生み出された好機の逃さず、戦術リンクを駆使して手配魔獣を討伐した。

「みんな、お疲れ」

「あ、ああ。それにしても驚いたな。まさか、宮廷剣術が使えたなんて」

「まぁ、たまにはこっちも使っておかないと剣技が鈍るかもしれないからな」

「洗練されたその剣捌き、見事なものだ。
 ・・・そちらの剣術を使うそなたとも、是非手合わせしたいものだな」

「大袈裟だよ。でも、そうだな。機会があれば手合わせしてみたいな」

「フフ、そうか」

ケインがラウラの申し出を快く引き受けると、彼女は笑顔になる。
珍しいものでも見たような心地のケインは、暫し彼女を見つめていた。

「?何をジロジロと見ている?」

「笑顔のラウラは可愛いなって思っただけだよ。それより、依頼主に報告しに行こう」

「か、可愛い!?」

(あんなこと言って、ケインは恥ずかしくないのかしら?)

(うーん、褒められる方が照れてそうだけど、よく分からないな)

彼女の笑顔にサラリと恥ずかしいであろうコメントをして街道沿いに引き返していくケインの背中を暫時見送ってから、わずかに頬が紅潮したままのラウラを連れ、彼を追いかけるのだった。そして、ケインたちは、魔獣討伐の依頼主であるサイロさんのいる自宅に入り、彼に討伐の旨を伝える。ケルディック自体がクロイツェン州の北端にある田舎であり、領邦軍も周辺の住民の悩みにあまり熱心に対応して
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