第6話〜交易町ケルディック〜
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必須)
壊れた街道の導力灯の交換(必須)
薬の材料調達
実習範囲はケルディック周辺、200セルジュ以内とする。
なお、1日ごとにレポートをまとめて、後日担当教官に提出すること。
「この特別実習。ケインはどう思う?」
書いてあった内容は、魔獣討伐もあれど、簡単な町のお手伝いのようなものだった。
最後の一文を凝視してうへぇ、レポートかぁなどと思っていたことは口が裂けても言えないケインは、一つ咳払いをして今の考えを脳の片隅に追いやり、率直な意見を述べる。
「典型的な遊撃士スタイルだな、としか言えないんだけど」
「遊撃士・・・!」
「民間人の保護を第一とする大陸各地に支部を持つ団体。
支える篭手の紋章を掲げる民間の使い手たちだな」
「そうだな・・・リィンも何か気づいていたんじゃないのか?」
「ああ、それは・・・」
リィン曰く、彼の自由行動日の過ごし方と類似したものであったのだとか。生徒会からの依頼を回されていた彼は、それをこなしていたらしい。が、旧校舎の調査以外にハードなものはなく他の依頼は比較的イージーな、手助け程度のものだったらしい。一通りすると学院やトリスタの街について理解が深まったとのことだ。
「場所は違うけど、誰かひとりに実習の実体験をさせたかったって腹かな?」
「凄いな・・・!全くその通りだよ」
「まぁ、リィンに目を付けた時点で予想はついてたけど、今の話を聞いて合点が行ったよ」
少々話が逸れてしまったが、ラウラがその土地ならではの実情を自分たちなりに掴むのは得がたい経験になるだろうと言い、満場一致でとりあえずは周辺をまわりつつ依頼を消化していくことにした。まずは近隣への被害が及ぶ可能性のある大型魔獣を討伐すべく東街道へと向かう。町を出る前に領邦軍に遭遇し、面倒を起こさぬように釘を刺された。その時、彼らがケインを凝視していた事に気づいたラウラはそれを訊いたが、彼は独りごちるような声で「気のせいだよ」とだけ言った。
「風車がたくさん・・・ふふっ、のどかでいいわね」
「うん、癒される光景だな」
「ああ、いい風が吹いているようだ」
「ケイン?もしかしてガイウスのマネしてるの?」
「・・・これも風の導きだろう」
「いや、違うからね?」
突然ガイウスのモノマネをするケイン。かなりの完成度であったため、アリサがツボって笑っている。ラウラも微笑ではあるが、顔が笑っている様子。これから大型の魔獣を相手にするため、みんなの緊張を少しでもほぐそうとするケインの努力だ。
「はは、本当に似てるな。その調子で魔獣も倒そう」
「フフ、任せてくれ」
「もういいから、やめてあげて!アリサが・・・」
「わ、分かった。まさかこんなに笑ってくれ
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