第6話〜交易町ケルディック〜
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「そう、ですか。でもどうして辞めちゃったんですか?」
「・・・目的を果たすため、かな」
「頑張ってくださいね!わ、私、ケインさんの事、応援してますから!」
その言葉で微笑を浮かべたケインは、「サンキューな」と言ってルイセの頬にそっと右手を添える。触れられた頬を髪と同じぐらい赤くしたルイセは、カウンターの奥に走り去った。
(俺は応援されるような人間じゃないんだ。すまない、ルイセ)
「天然たらしなのね・・・」
「えっ?まぁ、エリオットにアホとか言われましたけどね」
「んくっ、んくっ、んくっ・・・ぷっっはあああああッ!!この一杯のために生きてるわねぇ!」
(・・・やれやれ、聞いてないな)
今のこの人に会話のキャッチボールは無理だろうと判断したケインは、冷水を一気飲みする。そんなタイミングで4人が降りてきていたため、サラ教官の気敏かつ豪快な飲みっぷりは、A班全員に目撃されてしまっていた。
「完全に満喫してるし・・・」
「しかもまだ昼前なんですけど・・・」
「俺もさっき、似たようなこと思ってたよ」
エリオット、アリサのコメントにケインは苦笑しながら同意しておく。アリサが特別実習の内容について尋ねると、サラ教官は必須のもの以外は任意だからやってもやらなくてもいいとだけ助言した。どうやら放任主義らしい。
「だ、だからそうやっていい加減なことを言わないで・・・」
「いや、そうした判断も含めての特別実習というわけですか」
的を射たらしいリィンの言葉に頬を緩めるサラ教官。他のメンバーからはえっ、とかどういうこと?などど声が上がるが、ケインがそれを一番聞きたかった。
「うふふん・・・実習期間は2日。A班は近場だから明日の夜にはトリスタに戻ってもら
うわ。それまでの間、自分たちがどんな風に時間を過ごすのか、話し合ってみることね」
それ以上は助言しないと感じ取ったのか、リィンたちは教官に挨拶だけして宿の外に出て行った。ケインは気になったことを教官に耳打ちしておく。
「サラ教官。不穏当な気配が一つ。あなたを見ていたようですから、一応警戒はしておいて下さい」
「了解よ・・・それにしてもあたしのこと、心配してくれるのね」
「当然ですよ。サラ教官だって、Z組の一員ですからね」
「!・・・ふふん、ありがと♪」
彼女のからかいをサラリとスルーして、ケインも宿の外に向かった。
「あっ、ケイン。何してたの?」
「・・・ちょっとな。それより、実習の内容とやらを俺にも見せてくれよ」
リィンから封筒を拝借して中身を見る。中のプリントには以下の内容が書かれていた。
特別実習・1日目 実習内容は以下の通り
東ケルディック街道の手配魔獣(
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