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ドリトル先生と伊予のカワウソ
第十幕その十一

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「そう思います」
「左様ですか」
「はい、国が違うと同じものでもどうしても」
「味が違いますね」
「そもそも土壌と水が違いますので」
「牛が飲むお水にですね」
 それにとです、加藤さんも言います。
「そして草も」
「はい、その二つが違ってくるので」
「ミルクの味も違ってきますね」
「そういうことですね。日本は土もいいです」
 先生はシュークリームを食べつつ述べました。
「イギリスはチョークなので」
「あっ、イギリスの土はですね」
「硬いのです」
「ですからお水も硬水で」
「そもそも農業にもあまり適していなくて」
 イギリスの困ったところです、日本と比べると土地が痩せているのです。それがイギリスを長い間悩ませてきているのです。
「草もです」
「よくありませんね」
「そうです、ですから」
「ミルクも味が違いますか」
「この紅茶は日本のものです」
 完全に、というのです。
「日本の紅茶、病みつきになります」
「左様ですか」
「このシュークリームやケーキの麦は」
「国産ですよ」
 カワウソさんのうちのお一人が先生達に答えてくれました。
「日本の小麦ですよ」
「おお、そうですか」
「はい、日本にいるのなら日本のものがいいだろうと旦那様が仰って」
「それで日本の小麦を」
「はい、使っています」
 そうしているというのです。
「それでこの小麦がまた」
「絶品だと」
 加藤さんがカワウソさんに応えます。
「そうだというのですね」
「はい、とても」
「成程。それでは」
「このお料理はどれも食材も調味料も日本のものなので」
「それをですね」
「楽しんで下さい」
 笑顔で、です。カワウソさんは先生達に言ってくれました。そうしてなのでした。
 先生達もまたカワウソさん達のお屋敷でのパーティーを楽しみました、そして皆が心ゆくまで楽しんでからでした。
 パーティーが終わりました、長老さんは笑顔で老紳士に言いました。
「では明日は」
「はい、貴方達がですね」
「楽しんでもらいます」
「それでは」
 こうしてこの日は楽しくお別れをした狸さんとカワウソさん達でした、先生達も上機嫌で旅館に帰ることが出来ました。
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