十六話:逆鱗に触れし小鳥
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なさい、一誠さん、クロームさん、アーシアさん。荷物をお持ちしますね。」
「……すまねえな。」
「えっと……ありがとう。」
「ユニさんが大変ですので私は大丈夫です。」
「いえ、ただ家に置いていただくと言うのも心苦しいので私が何かしたいんです。」
そう言ってニッコリと微笑むユニに思わず見惚れてしまう、やっぱりユニの笑顔は周りを幸せにする力があるな。
「どうかされましたか?一誠さん。」
「……綺麗な笑顔だな。」
「えっ!?……あ、ありがとうございます。」
そう言って頬を赤らめるユニ、何となく俺の頬も熱い気がするが気のせいだろう。
「お兄ちゃん……ふんだ。」
「はうう、だ、ダメです!!こんな気持ちを抱いちゃダメです!!ああ、神よ!!!」
後ろの二人は一体何を言っているのだろうか?取りあえず、クロームは今日の頑張りもかねて頭をなでなでして機嫌をとる。
「ふふふ、夕食が出来ているので手を洗ったら皆さんで食べましょうね。」
そう言って笑顔のまま荷物を運んでいくユニ……手を洗うか。
「「「いただきます。」」」
「食うか……。」
「はい、召し上がってください。」
一口、口にするといつもと味が違うことに気づく。気づかれないようにユニを見ると食事に手を付けずにチラチラとこっちの様子を見ていた。
「坊ちゃま、今日は少し味付けを変えてみたのですがいかがでしょうか?」
そう言って、ニッコリと笑いながら俺に聞いてくるミランダ。
「いつもより味は落ちるが……俺はこっちの方が好きだ―――うまいぞ、ユニ。」
「ひゃっ!?」
俺に気づかれたことに驚いたのか可愛い悲鳴を上げるユニ。
まあ、今言った事は本当だ、味はプロレベルの腕を持つミランダにはかなわないが、何となく温かさを感じるユニの料理は普通にうまい。
……俺はただ事実を言っただけで別にユニを褒めたわけじゃないんだからな?本当だぞ?
「よ、喜んでもらえて、嬉しいです。」
照れているのを隠すように俯くユニ、だが俯く前に顔を赤くしているのを見たので無駄だ。
「私にも…料理教えて。」
「わ、私もお願いします!!ミランダさん。」
「うふふ、はい、分かりました。お嬢様、アーシア様。」
普段はおかわりはしないんだが今日は珍しくおかわりをしたが、今日は少し動いたからな腹が減っていたんだ。
べ、別にユニが喜ぶ顔が見たかったんじゃないんだからな!?そうだと言ったらそうだ!!!
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