暁 〜小説投稿サイト〜
アラガミになった訳だが……どうしよう
夫になった訳だが……どうしよう?
55話
[1/3]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
それにしても人生とは予想外の連続が多いな。確か、俺たちはキュウビの探索を中断して鉱山を探すついでにレオとジルを戦闘慣れさせるという予定だったんだが、いや本当にどうしてこうなった?
地図やらで鉱山らしきものを見つけ、一人でロシア支部の外部居住区で情報を集めてなんとか生きているらしい鉱山を見つけた。うん、そこまではいい。
その鉱山の周辺にはアラガミが少なく、鉱山内も多少荒れているものの機能自体は問題ない。うん、それもいい。
だがな、鉱山の奥がキュウビの寝床になってるんだ?
「……マキナ、このオチはないよ」
「言うな、俺も予想外すぎて頭が回らないんだ」
「あれが、キュウビですか?」
「新種なの、お母さん?」
「新種っていうかアラガミの始祖みたなものよ。レトロオラクル細胞っていう他の物質やオラクルを捕喰していない、まっさらなオラクル細胞で構成されてるんだけど……」
「だけど?」
「やたらと強いんだよ……昔殺されかけたしな」
あの頃は具足も完成してなかったこともあって、それ諸共四肢を吹き飛ばされたな。多分、俺の人生で死にかけた二つの経験の内の一つはキュウビのあれだろう。
「そこまでなんですか……ですが、犬のように転がっていますけど。本当に強いんですか?」
「ああ、原点にして頂点とでも言うべきようなアラガミだ。他のアラガミのように何かが強いっていう特化した能力がある訳ではなく、全てが強いという一番厄介な奴だよ」
「万能機ってこと?」
「万能どころか全能だ」
前回が鎧袖一触で蹴散らされた事もあり、キュウビの性能は今のところ未知数と言ってもいい。今の力でどうにかできるのかも分からんが、以前のような事にはならないだろう。
それに今回は以前と違い、イザナミもいるのだ。いざとなればレオとジルを守りながら逃げる事も出来るはずだ。
もっとも、あのイザナミが何かを欲しがっているのだ、命懸けでもやらせてもらおう。俺だって男だ、惚れた女のために全力で動くのはそうおかしな事じゃあるまい。
「……お母様、どうして顔を赤らめているんですか?」
「う、ううん、何でもないよ。ただ私って意外と攻められると弱いなって」
「……お父様、そういうのは後にして貰えません?」
ジル、察しが良すぎるぞ?
そして、そのジト目はやめてくれ、それは割と精神にくるものがあるから。
「ああ、そうしよう。で、どうする?」
俺はキュウビの方を見て言った。
キュウビは今のところ、高さと広さがある程度ある場所で寝ている。恐らくはここが機能していた時は最も多く宝石や鉱物が取れ、集団で採掘できるようにした場所なのだろう。
しかし、キュウビと戦うに些か狭すぎる。レオはここに入って戦うということは出来ないだろうし、ジルもあの狭い空間で槍を振るうというのは危険だ
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ