番外編 乙女の矜持 その一
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俺のISって遠距離射撃型の装備だろ? こんなコンテナだらけの港湾施設じゃ融通が利かない。なにかあったとしても俺は一夏たちの援護にまわるからな」
俺の言葉を聞いたシャルロットは頭を縦に傾けた。
こんなことを話しながらも俺たちはハイパーセンサーで周囲を警戒していたんだが、前振りも、前触れもなく、唐突に爆発音が俺の耳に届く。
「なんだ?」
と一夏。
俺は爆発音がした方角へと顔を向けた。
爆発のあった場所は港湾施設のほど近くにある倉庫街。
ハイパーセンサーで警戒していたが、爆発のあったあたりは動く物の反応がなかった。
ということは、事前に仕掛けられた時限式の爆発装置の類かもしれない。
オレンジ色の炎とともに黒々とした積乱雲のような煙が空に向かってたかだかと舞い上がっていた。
俺たちは埠頭に停泊しているコンテナ輸送船の周囲の見晴らしのきく操舵室の上でISを装備した状態でいたが、IS三機では対処に困る事態も起こりうるだろうと俺たち以外にも銃を手にした十人程度の人間も地上で警戒にあたっていた。
その人間たちがコンテナの間を縫うようにして爆発があった方角へと走る姿が確認できる。
それを見たからなのか一夏が、
「俺も見てくる」
と言ったがシャルロットに、
「ちょっと待って」
と止められた。
ハイパーセンサーに反応。
金網の柵で仕切られた港湾施設の敷地外、倉庫街の道を箱つきのトラックがこちらに向かって猛然と突っ込んでくるのが見える。
トラックを目視できるくらいだから、俺の位置からそう遠くはないだろう。
せいぜい数百メートルといったところか。
ここまで近づかれるまで気づかないなんてハイパーセンサーに異常でもあるのか? それとも、まさかとは思うが、あのトラックはステルス仕様なんじゃないだろうな。
実際、あのトラックがステルス仕様なのかは解らないが、ISの試作装備があるこんな場所に襲撃をかます連中だ、トラックになにか対策をしていたとしても不思議はないだろう。
トラックはブレーキをかけることなくそのまま直進、金網の柵を突き破り港湾施設へと侵入した。
しばらく敷地内を走っていたトラックだが、ようやく停車したかと思ったら今度はトラックの箱が開き出す。
見れば、箱の中には二機のISが載っているのが確認できる。
ラファール・リヴァイブに見えるそれはトラックから港湾施設の敷地へと降り立ちあたりを警戒し出す。
この様子を見た一夏がいくぶん小さめの声で、
「何者だ?」
と言っている。
「国籍、識別コードがない」
とシャルロット。
「いくぞ、シャルロット、アーサー」
「OK、一
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