第六十九話
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飛び、早々とトンキーの背中からその階段へと飛び降りた。
「トンキー! もう他の邪神にイジメられるんじゃないわよ?」
「トンキーさん、またお話しましょうね」
「……トンキー、また来るからね。ありがとう」
女性陣からの声援にぼるる、という鳴き声で返したトンキーはそれ以上は何もすることはなく、ヨツンヘイムの大空へと飛び去っていく。……その妙にかっこつけた所作に、やはりトンキーは雄なのだろうか、などと考えながら小さく手を振った。
そして、トンキーはともかくこちらの男どもと言えば。
「……レコン、大丈夫か?」
「うう……大丈夫……」
俺とキリトが合流するまでにトンキーが妙な飛び方でもしていたらしく、レコンは階段に足を踏み入れるや否や、苦手な絶叫マシンを連続で体験したような状態になっていた。こんな状態でも《聖剣エクスキャリバー》を発見した時は、イキイキと輝いていたのだから、根性があるのかないのか分からない。……そしてキリトは。
「…………」
暗くて何も見えない階段の奥を見つめていた。本当に階段を眺めているのではなく、さらにその奥にある《世界樹》の頂上を――いや、そこで彼を待つ彼女のことを見据えているのだろう。リーファやレコンのおかげで、遂に《世界樹》まで辿り着くことが出来た。後は……
「キリトくん? どうしたの?」
「……あ、ああいや、どこに繋がってるのかと思ってさ、この階段」
心配そうにリーファが顔をのぞき込むと、キリトは一瞬の後にその顔を愛想笑いの表情へと変える。幸いにも、リーファにはそのキリトの表情の変化は伝わらなかったようで、彼女は踊るように階段へと足を踏み入れた。
「多分、この先がもう《アルン》だよ! 行こ!」
リーファの先導の元、俺たちは光るキノコが照らす階段を歩き出していった。その先に待つ《世界樹》へと辿り着くために。
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