第六十九話
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ンキーにしがみついてんの!」
「無理! これ無理だってリーファちゃぁん!」
まあリーファはともかくとして、リズは乗っているに連れて慣れていき、俺とキリトも安全運転である限りは悲鳴をあげるほどではなかったが、レコンはどうやらそういう訳にはいかず。その姿からは残念ながら、トンキーを《風の膜》で助ける時に見せたかっこよさは感じられない。
「それでリズさんがドッキリを提案して、今に至ります」
「……やっぱりお前かリズ」
ユイの説明を聞き終えた俺とキリトはジト目でリズを睨むものの、リズはそっぽを向いて俺たちの視線を逃れていた。……しかしリズがそう提案したとしても、トンキーがやってくれなければ意味がないのだが……案外空気が読める奴なのかも知れない。
「……ありがとなトンキー、三人を守ってくれて」
そう言いながらトンキーを優しく撫でてやると、トンキーは機嫌良く空中を旋回し、この《ヨツンヘイム》の最も高いところまで辿り着いた。……そこから見えるヨツンヘイムの雪と氷の美しい世界は、地上が邪神たちとそれを狩る妖精が闊歩しているなどと、想像することも出来やしない。
「……ん? なんだありゃ」
皆がその景色に多かれ少なかれ言葉を失って見入っていたものの、キリトのその一言に空気が壊れてしまったような感触が一同に与えられ、特にリズとリーファは今にも掴みかからんとしていた。
「キーリィートー……」
「わ、悪い悪い悪かったって。でも、アレは何かなーってさ、な?」
「全く……なに?」
キリトの必死の弁解にリーファとリズは毒気が抜かれたのか、キリトが指し示した方向にリーファが双眼鏡のようなもの――氷柱結晶の魔法とのことだ――を作り出し、言い出しっぺのキリトと一緒に除き見始めた。確かに遠目から見ても、黄金色に輝く光が揺れているように見えるが……
「うばっ!?」
……そんなどこかのチンピラの断末魔のような声がリーファから聞こえたが、気のせいであって欲しかったがどうやら気のせいではなかったらしい。そんな妙な声をあげてどうした、と聞こうとすると、リーファが震える声で言い放った。
「せ、聖剣エクスキャリバー……」
「は!?」
ゆっくりと遊覧船のように飛翔するトンキーの上で、『ちょあたしにも見せて!』とか『リーファちゃん僕にも!』といった、氷柱結晶の醜い奪い合いが開始され、反射的にリーファがレコンを投げ飛ばそうとして落ちそうになった後に、結局リーファが人数分氷柱結晶を作り出すことで決着した。肉眼では黄金の光にしか見えないが、リーファの魔法の腕は確かなようで、しっかりとその目に一本の剣のことを捉えることが出来た。
聖剣エクスキャリバー。ALOの公式サイトにデカデカとその存在は『幻
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