暁 〜小説投稿サイト〜
SAO−銀ノ月−
第六十九話
[5/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
、その放電現象に巻き込まれることが確定しているが……キリトが助けてくれるのならば、代わりに俺は攻撃するのみ、と、ポケットの中からリズお手製のクナイを取り出した。

 これまではただ投げるだけだったが、俺は投げる前に出来るだけ早く風魔法の詠唱を開始する。レコンやリーファと違って対したことは出来ないが、クナイが通る道を作り出すことぐらいは出来る……!

「そこ!」

 俺の手からクナイが発射されるとともに、風魔法によって追い風がクナイを追従するように発生し、高速で倒れた邪神へと向かっていく。その間にも放電現象が開始されるまで秒読みだったが、キリトが跳んで俺の手を引っ張っていったことで、ダメージは着地ダメージだけで済む。

 そして予備動作の通りに邪神が放電現象を起こすが、キリトのおかげで、何とかその範囲外まで逃れられていたようだ。ビリビリと放電現象を起こしながら、邪神はゆっくりとその身を起こそうとするが、その前に俺が放った風魔法を付与したクナイが炸裂していく。……もちろん、その自慢の三つの眼に、だ。

 ぼるぼるぼるぼる――とエンジン音のような悲鳴が、次第に邪神から漏れだしてくる。どうやら狙い通りに食らったらしく、俺は作戦成功を喜ぶとともに、さらに邪神から離れていく。……目が見えなくなった邪神が、その場で狂ったように暴れ出したのだ。

「相変わらずナイス囮、ショウキ」

「……それは褒めてるのか……?」

 そのままキリトと軽口を叩きながら、暴れまわっている邪神を迂回して近くにあった丘へと、他の邪神に見つからないように登っていく。丘は少しだけ四本腕の邪神より高い位置にあり、長居をしては他の邪神に見つかる危険がある。早々と用事を済ませることにしよう……と、キリトの投剣と俺のクナイがまたもや邪神に襲いかかる。

 所詮は投擲武器で急所に当たった訳でもなく、邪神にその程度ではダメージは通らない。だが、視覚を潰された邪神はそのクナイが飛んできた方向から、俺たちがいる場所を推測したらしく、ズシンズシンと俺たちがいる丘に向かってくる。そして、そのままの勢いで自慢の大剣で丘を攻撃すると、雪に埋もれた丘は邪神の一撃に耐えられず、いとも容易く崩壊した。

 ……狙い通りに。

「うおおおおっ!」

 邪神によって崩壊する丘の瓦礫を足場にして邪神に接近すると、まずはキリトが彼の得意技だった《ヴォーパル・ストライク》を邪神の胸部に向けて放つ。キリトが攻撃している間に、俺は日本刀《銀ノ月》のスイッチを入れると、キィィィィンという弦楽器のような音とともに、日本刀《銀ノ月》が小さく、しかし高速で振動していく。

「斬撃術《弓張月》!」

 振動によって切れ味を最大限まであげた日本刀《銀ノ月》の、空中からの勢いを利用した斬撃術《弓張月》
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ