家族からのFAを検討中
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ぶ。
確かに小学生の頃、ちょっとした手伝いだと言われて荒縄を巻き付けられても首を傾げるだけで、結月と姉妹レズ一歩手前までやらされた後などしばらく結月とお互い顔を合わせづらかった。本当、当時の自分の無知を呪いたいし、思い出せば泣きたくなる。
「ほんとごめんなさい。もう少し早く珠希ちゃんを調教してあげられたら」
「そんな……ってオイ、あたしは調教されたかねーんですけど?」
しかも同性から、ましてや相手は実の母親。そして確実にM調教される。
何も知らない人からすれば姉妹に見えるとはいえ、実際、SM母娘レズなんて誰得だ?
そもそもこんな内容はX指定かかるんじゃないのか?
「じゃあ男性からならいいの?」
「それも御免こうむる。てかアンタもっとまともな恋愛図は描けんのか?」
「やだ珠希ちゃん。お母さんの書く小説のジャンルくらい知ってるじゃない」
「えーそーですね。確かに得意なのは調教・NTR・レズでしたね」
年甲斐もなく恥ずかしがって顔を赤らめる彩姫から視線をそらし、珠希は溜め息まじりに嫌味を吐く。もっとも、この母親にそんな嫌味など通用しないのはわかっていることだったが。
「あの……さ、おねーちゃん」
「いい。結月から謝られることなんてないし」
「でも――」
「いいの、別に」
こんな謝罪と同時に黒歴史が掘り返されるならそんな話もこれにて終了だ。
とりあえず米研ぎも終わり、タイマーもセットした。明日のお弁当の下準備もしてあることを確認した珠希はスマホやらタブレットやらの荷物を抱え、それ以上家族とは何も話さずに自室に戻った。
☆ ☆ ☆
自室に戻った珠希はタブレットをベッドに放り投げると即座に部屋の角に合わせてL字型になっている机の上にあるPCを2台とも立ち上げる。
先に立ち上がったのは20インチのワイドスクリーンを持つファンシーなピンク色のデスクトップ。家族にすら死んでも教えられないパスワードを打ち込み、中断していたプログラムを開くその一方で、すかさずタップ式コンセントにつないでいた充電器をスマホに差し込む。
遅れて立ち上がったもう1台の白いデスクトップも同様にパスを打ち込み、こちらは一分一秒でも早くとメール画面を開く。新着メールが届いていた。
同時に別の新着メールが届き、内容を確認すると珠希はすぐにスマホを手に取った。
* * *
???:ばんわー、です。夏穂サン
夏穂:こんばんは。美緒ちゃん
* * *
とあるグループトークの場にお互いを【美緒】と【夏穂】と呼び合う二人が姿を見せる。【美緒】は丸っこい文字で「み」と書かれたアイコン、【夏
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