第五章
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「豚ですけれどね」
「あんたミニ豚を飼っていても豚肉は食べられるのね」
「ミニ豚じゃないですからね」
豚であってもだというのだ。
「特にそうしたことは」
「そうなのね」
「意識していないです」
元々豚肉は好きだ、だがこれは食べる肉としてである。
「別にリュウを食べようとは思いません」
「まあようよね」
「というかいつもうんちとかおしっこをしているのを見ていると」
「食べようとは思わないのね」
「それ以上に可愛いですから」
愛情もある、だから余計にというのだ。
「リュウは家族ですから、私の」
「食べようとは思わないのね」
「家族は食べないですよ」
絶対にと言う綾音だった。
「そうですよね」
「私よく旦那を食べてるわよ」
「旦那さんの何処をですか?」
「下のね」
このことは笑って言う綾音だった、、味噌汁の中の茸を食べながら。
「ある場所をね、舐めたりして」
「露骨ですね」
「私は毎晩食べられているわよ、身体の隅々までね」
「雌豚としてですか」
「私が旦那のご馳走なのよ」
そうした意味でだというのだ。
「そうなってるわ」
「先輩はそうした意味での豚なんですね、本当に」
「何かと面白いでしょ」
「本当に豚っていっても色々ですね」
「私は自分が豚だから」
夜にだ、雌豚になるというのだ。
「あんたは自分の豚さんを可愛がりなさいよ」
「そうしていきます」
「それであんたも結婚するのよね、何時かは」
「まあ何時かは」
そのつもりはある、綾音にしても。何時までも今の様に一人暮らしを楽しむ訳にもいかないこともわかっているつもりだ。
「そのつもりです」
「それならよ」
「旦那さんとの結婚生活のこともですね」
「頭の中に入れておいてね」
「リュウとのことも考えるべきね」
「そうしなさいね」
紗友里はこのことも言うのだった、こうしたことをしっかりと言う辺り先輩であった。そして実際に一年後だった。
綾音は交際相手を得てその相手と婚約した、それで正式に籍を入れた紗友里に言うのだった。
「これからは旦那さんとリュウと」
「一緒に住むのね」
「そうしていきます」
「よかったじゃない、じゃあ豚さんと一緒にね」
「はい、仲良く暮らしていきます」
「それでどっちがなるのかしら」
ここで紗友里はくすりと笑って綾音に問うてきた。
「あんたか旦那さんのどっちが」
「どっちがって。何になるんですか?」
「だから豚によ」
紗友里はくすりと笑ったまま綾音に言った、二人は今も食堂でお昼を食べているがメニューはトンカツ定食である。
「どっちがなるのよ」
「私か旦那さんかですか」
「どっちがなるのかしら」
「ですから私そうした趣味は」
「まあまあ。豚になるのもいいもの
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