第三章
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「これを読まれますか」
「そうした本もあるんですね」
「最近はネットでもミニ豚の飼い方を調べられますよ」
有り難いことにだ。
「飼われるにしても」
「そうですか」
「それでどうされますか?」
あらためてだ、店員さんは綾音に尋ねてきた。
「ミニ豚飼われますか?」
「そうですね、それじゃあ」
詳しい飼い方がわかるのなら心配はいらなかった、それにだった。
ミニ豚を見ていると妙に可愛く思えた、とても小さくピンク色の身体につぶらな黒い目を持っている。そのミニ豚を見つつ店員さんに答えた。
「買わせてもらいます」
「では可愛がって下さいね」
店員さんは綾音に明るく応えた、こうしてだった。
綾音はミニ豚を飼うことになった、すぐに自宅のアパートに一緒に帰ってだった。
ミニ豚を見ながら本をじっくりと読んだ、既に餌と散歩用のリードも買っている。そのうえでミニ豚に言うのだった。
「これから宜しくね」
「ブウ」
ミニ豚は鳴き声で応えるだけだった、この日から綾音はミニ豚と一緒に住むことにした。
それから数日経った、綾音は仕事場で紗友里にこう話した。
「最近夜もお店では飲まないで」
「豚さんのお相手をしてるのね」
「はい、散歩してます」
夜にそれをしているというのだ。
「あと朝にも」
「あら、朝晩二回なの」
「はい、散歩してます」
そのミニ豚のだというのだ。
「朝早く起きて」
「えらく健康的な生活してるのね」
「結構歩くんですよ、これが」
綾音は紗友里にこのことも話した。
「しかも力が強くて」
「そうそう、豚は元々猪だからね」
「そうですよね、引っ張られない様に苦労してます」
「気をつけてね、そこは」
「はい。あとおトイレの処理とかもしれます」
そうしたこともしっかりしているというのだ。
「散歩の時に。あと散歩は雨の時もしています」
「頑張ってるわね」
「動物用の雨合羽も着せて」
そうまでしているというのだ。
「あと名前も決めました」
「名前は何にしたの?」
「男の子だったのでリュウにしました」
「ゲームのキャラクターね」
とある格闘ゲームの主人公キャラだ。典型的なタイプのキャラクターの一つとして知られているキャラである。
「あれね」
「はい、あの名前にしました」
「あのゲームもまだ有名だからね」
「続編出てますしね、何作も」
それで綾音も知っているのだ、勿論プレイもしている。
「それでなんです」
「リュウにしたのね」
「名前は」
「わかったわ。それでリュウちゃんと仲良くやってるのね」
「とても」
そうしているとだ、笑顔で答えた綾音だった。
「そうしています」
「それは何よりね」
「ただ。怖がりで寂しやり屋なんです」
ここでその
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