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豚さん
第二章
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「どうかしら」
「牛の次は豚ですか」
「豚は豚でもミニ豚よ」
「ミニ豚ですか」
「ミニ豚は知ってるわよね」
「はい、豚を小さくしてペット用にしたものですね」
 豚は実は結構大きいのだ、大きくそして体重もある。生後半年でかなりの大きさになる生きものなのである。
「あれですよね」
「そうよ、それにしたら?」
「豚さんですか」
「嫌?」
「いえ、意外ですから」
 紗友里の提案がだ、だから綾音は微妙な顔になって首を傾げさせて言うのだった。
「犬や猫じゃないんですね」
「何となくね」
「そこで豚って言うのが先輩ですね」
「言っておくけれど夜に豚になるのは私の方だから」
 紗友里はさりげなく夫との夜の生活のことも話した。
「この雌豚ってね、旦那に言われて」
「それで夜を過ごしてるんですか」
「縛られたり手錠をかけられてね」
「先輩ってどマゾだったんですか」
「旦那だけにはね」
「私にはどサドでも」
「そうよ。まあとにかくね」
 その夜は夫に雌豚と言われている女が綾音に言う。
「ミニ豚なんていいんじゃない?」
「そうですね、風変わりなペットも面白いですね」
「あんたの将来の結婚生活の勉強にもなるわよ」
「私に旦那さんの雌豚になれっていうんですか?」
「旦那をそう呼ぶとかね」
「いや、そうした趣味はないですから」
 そこは紗友里と違うとだ、綾音はきっぱりと答えた。
「SMとかは」
「そうなのね」
「というか先輩そんな趣味があったんですか」
「旦那に教えてもらったのよ」
「先輩も旦那さんも変態ですか」
「夜は皆こうでしょ」
 平然として返した紗友里だった、自分と夫の夜の生活については。
「どの人も大なり小なり変態よ」
「じゃあ先輩のお身体には」
「実は縄や鞭や手錠や蝋燭の跡があってね」
「本当ですか、それ」
「冗談よ、跡が残るまではやってないから」
 それは冗談だというのだ。
「とにかくね、話が変な方向にいくけれど」
「先輩のせいじゃないですか」
「ペットのことは考えておいてね」
「はい、今のままだと寂しいですし」
「一人暮らしはどうしてもね」
「ミニ豚も考えます」
 何だかんだで頼りにしている先輩の言葉を容れることにした、そうしてだった。
 綾音は暇を見付けてペットショップに入った、そして動物達を見回して。
 その中にミニ豚がいた、ピンク色の身体のつぶらな瞳の小さな豚を見てだった。綾音は店員のお兄さんに尋ねた。
「豚の餌jは」
「うちにありますよ。野菜やパンの切れ端とかでも食べます」
「そうなんですか」
「あと買われるのならいつも遊んで可愛がってあげて下さいね」
 このことは店員さんから言ってきた。
「そうして下さいね」
「散歩は」
「はい、散歩もお願
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