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『ある転生者の奮闘記』
TURN11
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「……まぁな」

 俺は頷いて御茶を飲む。

「東郷長官は伊号潜航艦を対ガメリカ戦の切り札としているよ」

「……姿無き艦からの攻撃に怯えるガメリカ艦隊……か。まぁ向こうが対潜航艦の兵器を出したら終わりやな」

「此方はまだ正規空母が少ない。虎の子の第一機動部隊を犠牲には出来ない」

「もう少し開戦が遅れていたら十分な艦隊がいたのに……」

「後悔してもあかんよ茂。今は日本の未来のためにやらなあかんからな」

 俺は茂にそう言った。



 それから三日後、第四戦隊は主砲の交換を完了させて第四艦隊がいるマレーの虎星域へ向かった。



――第四艦隊旗艦榛名――

「ベトナム星域の攻略作戦ですか……」

「そうだよ。この攻略作戦は第四艦隊、キャシー、ラスシャラの第八、第九艦隊と陸軍が共同で行う」

 旗艦榛名からの出頭命令に呼ばれた俺は南雲提督と会っていた。

「第四艦隊も無人偵察機を多数放ったけど、ベトナム星域はおろかインドカレー星域もエイリス東洋艦隊はいなかった」

「それで東郷長官が作戦を認めたんですか?」

「そうだよ。しかも第四戦隊の参加が無ければ作戦は決行されなかったよ」

 南雲提督が笑う。

「……東郷長官は余程第四戦隊を過大評価していますね」

「第四戦隊だけじゃない。狹霧、あんたも期待されているんだよ。ハワイ会戦の事は皆が知っているからね」

 南雲提督はそう言った。

「褒めても何も出ませんよ南雲提督」

「狹霧……自分を過小評価しなくていいんだよ」

 南雲提督は「あんたは何も間違っていない」そういう表情をしている。

「いえ、満州で新型艦の神通を失ったのは自分のせいですよ」

「でもそれは樋口が……」

 日本海軍を裏切ったはずの樋口提督はいつの間にかコネを使って日本海軍の提督として復帰していた。しかも自分の正統性を主張している。

 樋口の主張は「満州会戦で私は裏切っていない。いきなり狹霧艦長の神通が我々を敵だと一方的な認識をして砲撃してきた」と言ってあらゆるところで俺を攻撃してきている。

 そのため俺の評価は微妙なところやねんな。

「それよりも南雲提督。自分の心配をした方がいいですよ。ダンナさんとの仲が悪いと大分噂になってますし……」

「……こんな時まで他人の心配をしてくれるなんてね……」

 南雲提督は苦笑する。

「南雲提督は大好きですから」

 俺は笑う。

「はいはい。それじゃあ出撃準備を頼むよ」

「(軽く言われた……)了解です」

 俺は若干orzになりながらも南雲提督に敬礼をした。







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