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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百六十三話 風雲
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たい。フェザーンの中立性の回復と維持、それは同盟政府の責任において行われる。フェザーン進駐の条件だったはずです」
やはりそこを突いて来たか。騒乱が起きれば同盟は約定を破った、同盟にフェザーンを任せておくことは出来ない、そう主張して攻め込むつもりだろう。白狐が私を見ている、返事を待っているのだろう。言質を取る、そういう事だ。だが拒否は出来ない。
「……本国政府には必ず伝えます」
白狐が満足そうに頷いた。そして乗り出した身体を元に戻す。
「本国より何か報せが入りましたらまたお伝えします。今日はこれで……」
「有難うございました。今後の調査に期待しております」
「同感です、良い結果が出れば宜しいですが……」
レムシャイド伯を送り出した後、ハイネセンに連絡を取った。スクリーンにトリューニヒト議長の顔が映った。
『シャノン弁務官、どうかしたかな?』
「レムシャイド伯が訪ねてきました」
トリューニヒト議長の表情が微かに厳しくなった。
『それで?』
「帝国軍が地球に赴き地球教団を制圧したそうです。地球教の総大主教を始めとする幹部の殆どが自裁したそうです」
“なるほど”と議長が頷いた。
「もっとも地球教団を完全に無力化出来たかについては自信が無いようです。逃げ出した者もいるのではないかと帝国は考えています」
『つまり地球教の脅威は減少はしたがゼロになったわけではない、そういう事だね?』
「はい」
トリューニヒト議長の意見を肯定すると議長は大きく息を吐いた。
『地球とフェザーンの関係だが何か分かったかね?』
「これから調べるようです。ただ教団の本拠は爆破されたためコンピューターは土砂に埋まったり破損したりしているそうです。データーの復旧には時間がかかる、レムシャイド伯はそのように言っています」
『簡単には尻尾は掴めないか……』
「はい」
尻尾は掴めない、いや本当に尻尾が有るのか……。或いは帝国は尻尾を掴んでいるのかもしれない、敢えてそれを隠しているという可能性も有る。
『しかし本拠地は潰した。これで地球教団はハイネセン、オーディン、地球と三つの拠点を失ったことになる』
「……」
『彼らが教団として活動するなら根拠地が必要なはずだ』
「……フェザーンですか」
議長が頷いた。
『同盟と帝国の地球教徒が集結するには地理的に見てフェザーンがベストだ。そして政治的にも同盟、帝国は地球教を敵と認識しているがフェザーンはそうではない。フェザーンと地球が繋がっていなくても連中はフェザーンに行くだろう』
「レムシャイド伯もそう言っていました。そしてフェザーンの中立性の回復と維持は同盟軍のフェザーン進駐における条件だと」
トリューニヒト議長が顔を顰めた。
「それが帝国の狙いという事は有りませんか? 帝国はフ
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