暁 〜小説投稿サイト〜
早死に
第四章
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 新太郎はカツで御飯をガツガツと食べながら仁に問うた。
「早死にの原因は」
「あのね、まずはね」
「ああ、まずは?」
「お酒だよ」
 これだというのだ。
「新太郎一日一升飲んでるんだよね」
「平均してな」
「それを毎日だよね」
「二十歳の誕生日の時からな」
 まさにその時からというのだ。
「飲んでるさ」
「そうだよね、しかも朝も」
「ああ、食欲がなくて車に乗らない日はな」
 このこともまた答える彼だった。
「飲んでるよ、ビールに生卵入れてな」
「それが朝御飯だね」
「そうだよ」
「それで煙草は」
「一日二箱な」
 それだけ、とだ。このこともまた答える新太郎だった。
「多い時は三箱な」
「それだけだね」
「親父も叔父さん達も吸ってたよ」
 その煙草を、というのだ。
「祖父さんもひい祖父さんもそうだったらしいな」
「代々喫煙派だね」
「そうだよ、親父も二箱吸ってたな」
「そうなんだね、それと好きな食べものは」
「肉だな、あと揚げものにバターやチーズをたっぷり使ったものだな」
「お野菜や果物は?」
「ああ、どっちも大嫌いだよ」
「好きなお野菜とかはないのかな」
「全然ないな、果物もな」
 どちらもだというのだ。
「本当にな、茸とか海草もな」
「全然なんだ」
「卵は好きだぜ」
「お豆腐とか納豆は?」
「ああ、食わない食わない」
 そちらもだというのだ。
「全然な」
「お肉と御飯だけ?」
「まあそうだな」
「お菓子好きだよね」
「酒飲むけれどな」
 それでもだというのだ。
「甘いものも好きだぜ」
「それで朝からコーラも」
「炭酸飲料も好きだよ」
 このことも笑って言う彼だった。
「そういえば魚とかも食わないな」
「お肉と御飯だけなんだ」
「そうだな、回転寿司行っても魚系食わないな」
「うん、よくわかったよ」
 ここまで聞いてだ、仁は確信して新太郎に言った。
「それが代々だよね」
「ああ、親父達皆肉ばっかりで野菜とか果物には目もくれなかったな」
「甘いもの好きで」
「それもな」
「お魚とかお豆腐とか食べなくて」
「全員な」
「それじゃあ当然だよ」
 苦い顔になってだ、仁は箸で鯖を食べつつ新太郎に答えた。
「早死になのも」
「当然か?」
「あの、毎日お酒飲んでヘビースモーカーでお肉とか脂っこいものしか食べないって」
「駄目か」
「駄目だよ、それじゃあ本当にね」
「早死にもか」
「当たり前だよ、というか新太郎も」
 彼自身もというのだ。
「そんな生活してたらね」
「早死にするか」
「うん、するよ」
 確実に、と言う仁だった。
「五十までにね」
「そうなのか」
「お酒は控えて。煙草も」
 そうして、というのだ。
「お肉
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ