第三章
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そして昼も一緒にいた、仁は昼は鯖味噌定食を食べた、その彼に対して新太郎は何を食べたかというと。
やたらと大きなカツにマヨネーズをたっぷりとかけて食べる、そうしてそのうえで山盛りの御飯を食べる。仁はその彼に思わず言った。
「ちょっとね」
「何だよ」
「いや、昨日一緒に飲んだじゃない」
「ああ、そうだよな」
「その時カツ食べてなかった?」
「昨日食ったのはあれだろ、カマンベール揚げだろ」
「ああ、そうだったんだ」
仁は新太郎のその言葉に頷いて返した。
「あれは揚げだね」
「カツじゃないからな」
「だからいいんだ」
「ああ、カツにな」
「マヨネーズを」
「こうしてかけてな」
上の部分が完全に白く見える位になっている、勿論ソースもかけている。尚カツの横のキャベツの千切りには目もくれていない。
「食うんだよ」
「そうなんだ、あとね」
「あと?何だよ」
「朝何食べたの?」
「朝か?パンにな」
「うん、パンに」
「マーガリンを塗ってな」
そうしてというのだ。
「食ったよ」
「そうなんだ」
「コーラと一緒にな」
「朝からコーラって」
「いや、車に乗らない日で食欲とかないとな」
「その時は朝何食べてるの?」
「ドイツ式にな、ビールに生卵を入れて」
そうして、というのだ。
「それを飲んで朝飯にしてるよ」
「朝からビールって。しかも生卵を入れて飲むって」
「ドイツじゃそうするんだよ」
そのマヨネーズをたっぷりかけたカツを食べつつだ、新太郎は仁に話す。
「朝に食欲がない時はな」
「学校に行く時も?」
「ああ、食欲がないとな」
その時もそうするというのだ。
「昼にはもう酒は完全に抜けるしな」
「朝からビールって」
「あと夜はな」
「夜は?」
「昨日は御前と飲んだけれどな」
「家でもなんだ」
「だから俺の家は酒屋だからな」
それで、というのだ。
「飲んでるな」
「毎日?」
「まあ一日一升はな」
日本酒にしてだ。
「飲んでるな」
「一日一升って」
「酒に強いんだよ、代々な」
このことについてはだ、得意げな笑顔で言う新太郎だった。
「親父の家系はな、お袋は飲まないけれどな」
「そうなんだね、何かね」
「何かって何だよ」
「今日いきなりとも思うけれど」
昨日話を聞いてだ、それでだというのだ。
「新太郎の家系のことがわかった気がするよ」
「早死にのか」
「うん、親父さんの方のね」
「おい、それ何だよ」
その言葉には瞬時に反応した、そしてだ。
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