第四十一話
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「……あの阿呆は……」
公孫賛は溜め息を吐いた。
「どうだ公孫賛? あの阿呆を一緒に叩かないか?」
「………私の部下の命を保障してくれるなら構わない」
公孫賛は覚悟を決めたみたいだな。
「間者からの報告では、公孫賛の部隊は劉備軍が指揮しているとの事だ」
「……そうか。なら心配はないかな」
公孫賛は立ち上がって俺に臣下の礼をした。
「幽州牧、公孫賛は王双殿の配下になります」
「うむ。それと真名は長門だ」
「私の真名は白蓮だ」
こうしてハム……じゃなくて公孫賛が仲間になった。
「誰がハムだよッ!!」
「スマンスマン」
―――孫策軍陣営―――
「一体何なのよ冥琳?」
天幕には捕らわれた陸遜と呂蒙以外の将が集められていた。
「………これは先程、雪蓮が王双から渡された物です」
周瑜は袋から何かを出した。
天幕に備え付けられた机にコロンと判子のような物が袋から出てきた。
「「なッ!?」」
判子のような物を見た孫堅と黄蓋は驚きの表情をした。
「母様と祭は何なのか分かるの?」
「………雪蓮。それは『玉璽』よ」
『ッ!?』
孫堅の言葉に知らなかった者が驚いた。
「な、何で長門がこれを私に渡したのよッ!?」
孫策は思わず叫んだ。
「………分裂だ」
周瑜がポツリと呟いた。
「王双は連合軍を外からではなく、内から崩壊させる気だ」
『ッ!?』
周瑜の言葉に皆は唖然とした。
「そして内から崩壊させる手段として、王双達を裏切った私達が選ばれたのだ」
『……………』
「恐らく、私達が玉璽を持っている事は他の部隊は気付いているだろう。私達が、取るべき道は………」
周瑜は孫策に目を向けて、孫策は頷いた。
「連合軍からの脱退………ね」
孫策はそう言ったがこの時、天幕付近に一人の間者がいる事に気付かなかった。
―――曹操陣営―――
「華琳様、間者から気になる報告が来ました」
「気になる報告ですって?」
曹操軍の猫耳軍師である荀イクが曹操に報告する。
「は、敵将王双が先の戦闘時に孫策に何やら袋を渡していました」
「その報告は私は聞いたわ」
「はい、間者は一か八かの賭で孫策陣営に浸入し、孫策の天幕で将全員が何やら話し込んでいたと」
「ふぅん、それで?」
「確証はありませんが、言葉の単語に『玉璽』と言っていたそうです」
「………何やら面白そうね。桂花、孫策陣営への間者を増やしなさい」
「は、分かりました」
荀イクはそう頷いた。
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