第六章
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「急にはじまってね」
「そうですね、気付いたら夫婦になっていましたね」
「親が決めていってね」
「何か許嫁といいますか」
「お見合いだったね」
それもだ、最初から結果が決まっているだ。
「そうしたものだったね」
「そうですね、ですが」
「うん、今はね」
「子供達も出来ました」
「これからもやっていこうか」
「はい、二人で」
こう話してだ、そうしてだった。
二人は子供達も育てていった、協力し合って。そうして少し成長した子供達が二人に対して言うのだった。
「お父さんとお母さんって物凄く仲いいよね」
「いつも家では一緒にいてね」
「凄くね」
「喧嘩したことないよね」
「最初からそうなの?」
「私達が生まれる前から」
「最初は違ったよ」
ヴィンセントは微笑んで子供達に答えた。
「全然ね」
「全然って?」
「っていうと?」
「お父さんとお母さんは少しずつなんだ」
「結婚してからなのよ」
メアリーも子供達に話した。
「お父さんとお母さんがお互いが好きになったことは」
「えっ、そうなの?」
「そうなの」
「ええ、そうよ」
その通りだというのだ。
「一緒に暮らす様になってからなのよ」
「そうだったんだ」
「結婚してからだったんだ」
「最初はね」
「何もわからなかったんだよ」
またヴィンセントが子供達に話す。
「お互いのことはね」
「あっという間に結婚してね」
「それからだったからね」
その事情も話すのだった。
「お互いのことも碌に知らなくて」
「好きも嫌いもなかったのよ」
「ふうん、そうだったんだ」
「お父さんとお母さんそうだったの」
「けれどな」
「一緒に暮らしているうちにだったのよ」
二人は優しい笑顔で子供達に話した。
「お互いのいいところがわかってきて」
「好きになったのよ」
「だからな、御前達もな」
「そうなるかも知れないからね」
「相手はじっくりと見るんだ」
「結婚してからよ、肝心なのは」
結婚するまで以上にというのだ。
「そこから相手をよく見てな」
「好きになれるから」
「だからいいな、御前達も」
「お父さんとお母さんみたいになるのよ」
真面目だが優しい笑顔で話した二人だった、そしてだった。
二人でお互いの顔も見てそして子供達に話すのだった。結婚してから育まれていった二人の愛情を感じて幸せな気持ちになりながら。
真面目カップル 完
2014・3・26
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