第四章
[8]前話
「狼さんにとっても悪くないよ」
「僕達も食べられずに済むしね」
「いいことばかりだよね」
「仕事か、狩りをするんじゃなくて」
狼は子豚達の言葉を聞いて前足を組んで考えました。
「そうしたやり方もあるんだな」
「それでどうかな」
「じゃあちょっと人間の村か町に行ってみるか」
「狩りは何時食べられるかわからないよね」
「ああ、実際にな」
その通りでした、狼もウーに答えます。
「今だって腹ペコだよ」
「そうしたことも考えるとね」
「人間に飼われて決まった時間に飯を食うこともか」
「いいよね」
「そうだな、ちょっと町に行って来るな」
こうしてです、狼は実際に人間の町に行って来ました。するとお巡りさんと一緒に町の警護のお仕事に雇われてです。
決まった時間にいつも、しかもお腹一杯食べられるだけの量の御飯を貰える様になりました。そうしてでした。
狼はもう子豚達を狙わなくなりました、そうしたことをしなくてもよくなったからです。子豚達に平和が訪れました。
ですがそれでもです、子豚達は三匹集まってそうしてお話をするのでした。
「あの狼さんは来なくなったけれどね」
「そうだね、危険は他にもあるし」
「一匹一匹で住むよりもね」
それよりもというのです。
「一緒にね」
「三匹一緒に住む方がいいね」
「その方がずっと安全だね」
こうお話するのでした、そしてです。
三匹で一緒に広い大きなお家に住むことにしました、煉瓦で外に石綿を張った地下室もあるお家に。そうして三匹いつも一緒にいる様にしました。
畑を耕すことも三匹一緒です、ブーはその中で弟達に言いました。
「何をやるにもね」
「うん、三匹一緒だとね」
「一匹よりずっといいね」
弟達もお兄さんの言葉に笑顔で答えます。
「一匹でいるよりもね」
「三匹だね」
「三匹でいることが一番いいよ」
こう言い合いながら畑仕事も楽しくするのでした、三匹の子豚達はずっと幸せに三匹一緒に何ごともしていくのでした。
新説三匹の子豚 完
2014・5・17
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