DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第九話
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の剣の形を作りだし、セモンの手に納まった。半透明の水晶のような、柄の両方に刃のついている剣――――《両剣》だ。
たしかハクガ達が、セモンが《六門世界》で《冥刀》と呼ばれる強力な武器を手に入れたと言っていた。銘は《雪牙律双》――――そのカテゴリは、《両剣》だったはずだ。
つまりあれが、セモンの手に入れた《冥刀》なのだろう。
それだけではない。セモンの周囲を闇色の揺らめきが蓋っていく。それは清文の体にまとわりつき――――闇が消えた時、セモンの和風コートは、どことなく吸血鬼っぽいデザインの、黒と紫を基調としたコートに変わっていた。
「――――俺達の平穏のために……消えてくれ」
冷徹に目を細めて――――セモンは宣告する。
「そん、な……」
せっかく会えたのに。せっかく声が聞けたのに。
まさか、戦いあうことになるなんて、思っても無かった。
「――――コハクは下がっていろ」
「ハザード?」
その時だった。琥珀を押しのけて、ハザードが前に出たのは。
「こいつは俺が倒す。お前はそこで、あいつが元に戻るのを見ていろ」
そう言って、漆黒の大剣を抜き放つハザード。静かに、しかしたしかに、彼はセモンの方へと歩いていく。
「……二人一緒には、来ないのか?」
「必要ない。お前は二人で俺を倒しに来たが、俺は一人でお前を倒せる」
彼が言ったのは、恐らくSAO最後の日のこと――――茅場晶彦の弟として、全プレイヤーの敵であることを宣言したハザードは、セモンと壮絶な戦いを繰り広げた。あの時、セモンはコハクの援護を受けながら戦った。
「とはいえ、これは俺の力だ――――使わせてもらう。来い、レノン!」
「きゅるぅ!」
ハザードの肩に泊っていた、真紅の子龍が啼く。同時にその体が、同じく真紅の光に包まれ――――なんと、ハザードの中に吸収されていくではないか。
ハザードの背中から龍の翼が突きだす。ハザードの腰から、龍の尾が流れる。
その姿は、ALOで彼が見せた《ファーヴニル》の姿。ユニークスキル《獣聖》の真価、《人獣一体》。
「……行くぞセモン。お前を、倒す!」
「……来い、侵入者。叩き潰してやる」
その問答は、奇しくも、アインクラッドの決戦の場でかわされた会話に、よく似ていた。
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